【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。ご注意ください。
11日午後8時ごろ、中国広東省珠海市のスポーツ施設の敷地内でSUVが暴走し、散歩やランニングをしていた市民を次から次へと轢き飛ばす「社会報復事件」が起きた。
今のところ、日本人が巻き込まれたとの情報はない。
車を運転していた男、樊(62歳)は犯行後、逃走したが逮捕されている。
市民が撮影した映像が、ネットに多く投稿されており、地獄絵図と化していた。制服姿の学生も大勢被害に遭い、少なくとも数十人は轢かれて地面に横たわっている。地面は鮮血だらけで、実に凄惨な光景だったという。
(事件直後の現場の様子)
被害者のなかには学生のほか、引退した現地の役人も多く含まれている。
死傷者数は公表以上?
地元警察は少なくとも35人が死亡、43人がケガをしたと発表しているが、「その場で50人以上は死んでいる」「少なくとも100人以上轢かれた」「約200人が轢かれた」などの目撃者による証言も様々で、ネット上では「当局は死傷者数を過少報告しているのではないか」と指摘する声は多い。
昔から巷に流れる有名な一説では、中国では事故による死者数が35人を超えると、地方政府のトップがクビになる。そのため、何かが起こると、保身しか頭にない現地当局の幹部が真っ先に命じることは、情報封鎖と隠蔽だ。
案の定、事件の後、中国のSNSに投稿された大量な事件関連情報や写真・映像は封殺に遭い、警察の声明を転載した官製メディアの報道記事まで、公開後に削除される事態となった。
警察はウソをついている?
容疑者の男は犯行後、「車内で自らの首を刃物で切りつけて意識不明の状態だった」と現地警察は公表しているが、ネットに流出した容疑者の病院のカルテには「意識はある」と書かれている。
容疑者が意識不明かどうかについて、ネット上では「当局の発表はどこまでが本当で何が嘘か」とする皮肉が殺到し、「なぜ当局は容疑者を意識不明にさせたのか」とする議論も熱い。
最有力説では「死人に口なし、死ななくても容疑者を意識不明にしたほうが都合がいいから」だという。
特別な場所?
現場となった体育館周辺では、普段からジョギングや散歩を楽しむ人が集まる人気のスポットであり、事件発生当時は、複数のグループがランニングをしていた。
事件が起きた珠海市では翌日(12日~17日)、国際航空宇宙ショーが開幕される予定であった。
また、体育館は同市の「中級裁判所」と隣接していることや、事件後、地元公安当局による「謎の動き」から、容疑者は、何らかの司法上の不公平な仕打ちを受けたため、あえて裁判所のすぐ隣の人が多く集まる体育館を選んだのではないかと推測する人は多い。
事件の後、現地公安は事件に関する通報を2度出している。しかし、2回目では1回目の通達のなかで言及されていた中級裁判所に関する内容が削除された。1回目の通報を転載していた中国・香港各社メディアの記事も発表後に削除されている。
削除された内容は以下の段落である。(邦訳)「調査の結果、近年、樊は元妻と離婚後の財産分与をめぐり、地方レベルの基層裁判所や中級裁判所などへ民事訴訟を起こしていたが、判決に不服であるため再審を求めており、現在案件は再審の審議過程にある」
当局の怪しい動きに「なぜ削除するのか? 何かやましいことがあるからなのではないのか」と考える人は多い。
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