セブン&アイが6日に出した声明によると、クシュタール社の買収提案について、自社の企業価値を「著しく過小評価している」と指摘。取締役会では「提案が株主やステークホルダーの最善の利益に資する提案ではない」と全会一致で結論するに至った。
NHKによると、コンビニ最大手「セブンイレブン」の親会社であるセブン&アイはクシュタール社との対話を続行する意向で、同社に対して改めて提案の狙いを確認する予定だという。
買収価格については、カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールが1株14.86米ドルで、全株を現金で取得しようとしていたことが分かった。ロイター通信が伝えた。
先月19日、セブン&アイは同社の「発行済み株式」すべてを買収するという「機密で拘束力のない予備的な」提案をクシュタールから受けたと発表した。
セブン&アイは、買収提案について「迅速かつ慎重かつ総合的に検討」するため、独立社外取締役による特別委員会を設置。1ドル147円換算で換算すると5.7兆円程度を提示したことになる。
クシュタール社のウェブサイトによると、同社はサークルKなど31の国と地域に1万6700以上の店舗とガソリンスタンドを展開している。
一方、セブン&アイ・ホールディングスは世界20カ国・地域で8万5千の店舗を展開している。
セブン&アイは昨年9月1日、百貨店子会社のそごう・西武をアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却し、セブンイレブンの主力ブランドを中心とした世界的なコンビニエンスストア事業に注力している。
同社は昨年以来、イトーヨーカドーのスーパーマーケット数十店舗の閉鎖を発表し、アパレル事業から撤退。そごう・西武百貨店部門の売却を完了した。
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