松本総務相、企業版ふるさと納税制度の有効性を強調、見直し示唆

2024/07/12
更新: 2024/07/12

福島県国見町で企業版ふるさと納税制度による寄附を原資とした事業を、寄附をした企業の子会社が実質的に請け負うケースがあった。町議会が設置した百条委員会の報告書は「寄附企業の節税対策に町が利用されたという疑いを禁じ得ない」と指摘している。

松本剛明総務大臣は「個別の事案については、事実を確認していかなければならないが、現段階ではコメントは差し控えたい」と前置きしつつ、「企業版ふるさと納税そのものは、それぞれの企業が各地域への貢献を考えて行う寄附であり、その寄附に対しては一定の税務上の優遇措置が提供されているが、これが節税に該当するかどうかは別として、自治体への貢献を目的とした制度である」と説明した。

さらに、「実際にこの制度を活用して地域の活性化や若者への貢献に役立てている自治体も存在する」と述べ、企業版ふるさと納税制度の有効性を強調した。

今回の事案については、「百条委員会でも報告書が提出されたと聞いている。それについては当該町で様々な議論が行われると思うが、納税制度とその原資を用いた事業の発注についてどのように評価されるのか、私どもも注視していきたい」と述べ、状況を見守る姿勢を示した。

また、制度の見直しについて問われると、大臣は「先日の骨太の方針において、これまでの取組状況を総合的に検証し、今後の本制度のあり方を検討することが示されている」とし、「自治体を支える総務省としては、有効に活用されている事例も勘案しつつ、関係省庁と連携して適切に対応していきたい」と述べた。

企業版ふるさと納税制度は、地方創生を目的とし、地域への貢献を促すための重要な手段であるが、その運用については今後も慎重な検討と改善が求められるだろう。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。