米国 バイデン政権下で700万人の不法移民がアメリカに入国

「非市民の投票を停止せよ!」、保守派団体がペンシルベニア州を提訴

2024/05/31
更新: 2024/06/02

「投票はアメリカ市民の神聖な権利と責任であり、特に選挙プロセスの信頼が非常に重要な時期において、選挙に参加できるのはアメリカ市民だけであることを確保しなければならない」
 

2024年5月21日、保守派の活動団体「アメリカ・ファースト・リーガル」(America First Legal、以下AFL)はペンシルベニア州務省に対し、非市民が州および連邦選挙で投票できる法律を停止するよう訴えた。

2002年の「アメリカ投票支援法」(Help America Vote Act、以下HAVA)により、投票を申し込む個人は有効な運転免許証番号と社会保障番号の後ろ4桁を提供し、地方選挙官が既存のデータベースを使用してその有効性と真実性を確認する必要がある。しかし、ペンシルベニア州はこの連邦法に違反し、身元確認の要件を満たさない選挙人登録申請を受け入れて、処理しているとされている。

争点

2018年、ペンシルベニア州務長官は「HAVAマッチング指令」を発表し、運転免許証と社会保障番号がデータベースと一致しない場合でも、選挙人登録申請を拒否してはならないとした。この指令により、州内67の郡の選挙委員会は「HAVA」の検証要件を無視し、身元確認要件を満たさない申請者でも投票登録を行うよう指示された。

AFLは訴訟で、この指令が連邦法に違反しているだけでなく、非市民を含む多数の資格のない選挙人が州および連邦選挙に登録し、参加できるようになっていると指摘している。AFLは、この違法な指令を撤回し、「HAVA」の規定に従った新しい指令を発行するよう求めている。

ペンシルベニア州務省の対応

ペンシルベニア州務省は、「すべての選挙人はアメリカ市民でなければ登録できない」とし、「州務省はこれに反する指令や指示を出していない」とエポックタイムズへの電子メールで述べている。また、登録時には市民であることを証明する必要があると強調している。

公共利益法センター(PILF)のデータによると、非市民の投票登録は稀ではない。PILFのデータでは、アリゾナ州ピマ郡では2021~23年の間に市民でないことを理由に186人の選挙人登録が取り消されたが、そのうち7人は投票記録があった。

同様に、アリゾナ州マリコパ郡では2015~23年の間に222人の選挙人登録が市民でないことを理由に取り消され、そのうち9人は投票記録があった。PILFは、「1993年の『国家選挙人登録法』(Motor Voter)は、外国人が投票登録するための最も一般的な手段を提供している」と指摘している。

連邦議会の動向

5月8日、上院議員マイク・リー(Mike Lee)氏と下院議員チップ・ロイ(Chip Roy)氏は「アメリカ選挙人資格保護法」(SAVE Act, S.4292)を提案し、連邦選挙に参加できるのはアメリカ市民のみとすることを目指している。この法案は、選挙人登録時に市民の身分証明を求め、受け入れられる証明書類をリストアップしている。

各州は標準的な証明書を持たない市民のための代替検証手続きを設けることが求められている。また、各州は選挙人名簿から非市民を削除することも要求されている。意図的に非市民を選挙人として登録する行為には罰則が設けられる予定である。

リー上院議員は、「不法移民やその他の非市民が不適切に選挙人として登録され、連邦選挙で投票できるようになっている」と指摘し、「このような『外国の選挙干渉』を止める必要がある」と述べた。特に「投票プロセスへの信頼がこれまで以上に重要な時期に、投票はアメリカ市民の神聖な権利であり責任である」と強調している。

各界の反応

複数の左派団体(American Civil Liberties Union, American Humanist Association, Democracy Matters, National Action Network,  Stand Up America)は、この法案に反対している。5月16日に下院議員ブライアン・スティール(Bryan Steil)氏と下院議員ジョー・モレル(Joe Morelle)氏に送った手紙で、これらの団体は「アメリカ選挙人資格保護法」は「危険な逸脱」であると述べている。

これらの団体は、非市民への投票制限の主張は、有色人種の選挙人にとって投票をより困難にすることを目的としていると主張している。市民身分証明書の提供を要求することは「恐怖を煽り、分裂を生む言説」であると述べている。したがって、「アメリカ選挙人資格保護法」は「不要であり、危険である」と主張している。

連邦議会の公聴会

非市民の投票に関する国会の公聴会は5月16日に行われた。下院議員ジョー・モレル氏は、非市民が選挙で投票したという証拠はなく、他の問題に焦点を当てるべきだと主張した。

一方、下院議員ブライアン・スティール氏は、最近オハイオ州で100人の非市民選挙人が発見されたことを指摘し、厳格な政策を策定してアメリカ人のみが選挙に参加できるようにする必要があると強調している。彼は、バイデン政権下で700万人の不法移民がアメリカに入国していると述べた。

英語大紀元記者。担当は経済と国際。
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