「中国共産党に生活壊された」法輪功学習者の娘が国会前で母親の解放訴える

2024/05/21
更新: 2024/05/21

中国本土では法輪功学習者に対する迫害が未だ続いている。今年4月、陝西省宝鶏市に住む61歳の王乖彦(おう・かいげん)さんと友人らが不当に拘束された。王さんの娘である張一文さんは国会議員会館前で支援を呼びかけた。

「母が今どこにいるのか、どのような状況なのか、全く知らされていない。母は無実であり、このことをもっとたくさんの人々に知ってほしい」。一文さんは状況を語った。母親が拘束されたのは4月11日だったが、父親は出張で家におらず、治安当局からしばらく連絡もなかったという。

ある日、宝鶏第二拘置所から父親に通知があった。施設内での生活のため日用品を買う資金が必要だとの連絡だ。この一報で初めて、家族は王乖彦さんが勾留されていることを知った。一文さんは「司法のデュープロセスが全く守られない、非道なやり方に憤りを覚えます」と訴えた。

中国陝西省宝鶏市の法輪功学習者・王乖彦さんは今年4月に中国共産党によって不当に拘束された(張一文さん提供)

一文さんによれば、母親は1998年に法輪功の修煉を始めた。法輪功は、李洪志氏が1992年5月に伝え始めた修煉法で「真・善・忍」を理念とする。母親は修煉前は些細なことにもこだわる人だったが、修煉後は心が穏やかになり、心臓病も回復したという。

ある日、母親は自転車に乗っていて、オートバイとの事故にあう。本来なら、母親のケガを心配するどころか、相手は一方的に金銭を要求してきた。母親は、その人が困っているのではないかと考え、持ち合わせのお金を渡したそうだ。「母は法輪功の修煉によって、寛容さや慈悲の心、道徳を重んじる人だ」と、娘の一文さんは語った。

迫害が落とす影

いっぽう、中国共産党による残忍な迫害が家族を苦しめる。一文さんは、当局は繰り返し母親を拘束し、家庭生活に計り知れない影響を与えたという。迫害は職場にも及び、職業訓練校の優秀な教師だった王乖彦さんは図書館の管理者として働くことを余儀なくされ、月給が5分の1に減少した。

「母は何度も拘束された。パトカーのサイレンを聞くと、また母が連れ去られてしまうのではないかと考え、私は神経質になった。前触れもなく警察や治安当局が家に踏み込んでくることもあった。家族で帰宅するときも、家まで追いかけてきて、私の目の前で母親と父親を連行することもあった」

張さんが来日したのは2014年だが、その時でさえ母親は勾留中だった。「母親とは14年、15年も会っていない。一緒に生活したのはたった5、6年で、8歳のころから父の手一つで育てられた」と張さんは語る。「同年代の子どもと同じように、母親と一緒に暮らしたかった。中国共産党は私の生活に踏み込み、全てを破壊した」

監禁と拷問

法輪功に対する迫害は、1999年7月20日、当時の総書記・江沢民の命令で始まった。「肉体を消滅させ、名誉を失墜させ、財力を奪え」とのスローガンを掲げ、警察・公安・メディア・病院など国家機関を総動員して弾圧を行なった。

張一文さんの母親・王乖彦さんも迫害の対象となり、労働収容所や洗脳施設に何度も監禁され、拷問や洗脳によって信仰を放棄するよう迫られた。

2001年、王乖彦さんは中国共産党に拘束され、陝西省女子再教育労働収容所で3年間不法に収容された。収容期間中、王乖彦さんは信仰を放棄しなかったため、様々な拷問が行われた。殴打によって王乖彦さんは顔にあざができ、頭は腫れ上がった。

2008年と2009年にかけて、王乖彦さんは、法輪功を迫害する中国共産党の専門組織「610弁公室」に2度にわたって誘拐され、監禁施設で拘束された。2010年からは西安女子刑務所に6年もの間監禁され、警棒で激しく殴打されるといった暴行を受けた。

2017年には陝西省女子刑務所に1年間拘留され、複数の針で体を刺される拷問を受けた。しかし釈放後に再び誘拐され、拘置所に監禁された。そして2021年、王乖彦さんは、再び拘束された。

法輪功迫害を即時停止せよ

中国共産党が法輪功迫害を始めてから四半世紀経った。米欧を中心に超党派の迫害避難決議が出されている。直近では今年1月、欧州議会で、迫害の即時停止と、迫害に関与する個人や組織に対して制裁するよう各政府に求める決議を採択した。

米国務省は4月、世界各国の人権状況に関する年次報告書のなかで毎年、中国共産党(中共)政権による法輪功学習者への弾圧を非難している。

5月13日の「世界法輪大法デー」には、英スナク首相を含む世界各国の首脳や高官、議員らが法輪功への支持を示し、迫害を非難した。

一文さんは、中国共産党による法輪功への迫害の実態を、外部の人々、特に海外の人々に知られることを恐れているのではないかと指摘した。「かつての政治運動のように大々的に迫害を行うことはもはやできない。国際社会が継続的に圧力をかけ続ければ、いずれ迫害も終わりを迎えるだろう」と語った。

そのうえで、日本の人々に中国で起きている迫害の実情に目を向けてほしいと訴えた。

「法輪功迫害は今日の中国における最大の人権問題の一つ。臓器狩りのような非人道的な蛮行も行われている。中国共産党はこうした悪事を法治国家の仮面の下で働いているため、一人でも多くの人々が真実を知ることができれば、迫害を止めさせることができるはずだ」

大紀元日本 STAFF