今年4月で、中共メディアが「未来都市」と喧伝する「雄安新区」は建設7周年を迎えた。
中国の首都・北京に隣接する河北省の「雄安新区」は、自動運転や人工知能(AI)など先端デジタル技術を駆使し利便性の高いスマートシティーを建設するという、習近平肝いりの「千年大計」と呼ばれている一大国家プロジェクトである。
しかし、建設にこれまでに6700億元(約14兆231億円)以上が投入され、中央政府傘下の国有企業に対し本社を雄安新区に移すよう指示し200以上の企業が林立する、この「未来都市」にいまだ活気は見られない。
このほど、「まるでゴーストタウンと化した雄安新区」に訪れたネットユーザーによる撮影動画が中国のSNSに拡散されて物議を醸している。
(SNSで拡散されている「まるでゴーストタウンと化した雄安新区」の最新動画)
被災者を「見捨てて」守られた「未来都市」
「雄安新区」は、中国の中でも人口密度の高い「華北平原」において最も低く、ダムによって水没する地域に建設されている。
そのため、昨年下記のような事件が発生した。
昨年7月末から8月にかけて、河北省を中心に発生した(「通告なし」のダム放水による)大規模な洪水の際には、当局が「雄安新区」を水害から守るために、人口100万の大都市、河北省涿州(たくしゅう)市を浸水させた。この洪水により、涿州市は甚大な被害が出た。完全に「人為的な災害」であったが、中共当局は今でも、これを豪雨による自然災害であると主張している。
「雄安新区」について、中国問題学者で豪シドニー工科大学の馮崇義・教授がエポックタイムズの取材に対し、次のように評している。
「ここは何ら価値をも生み出すことのできない場所だ。その唯一の存在理由は、習近平がやりたがっている『千年大計プロジェクト』であるというだけで、このままでは雄安新区は完全に失敗に終わるだろう」
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