罪なき陳情者を精神病院に監禁 迫害の末に殺害=中国

2024/04/08
更新: 2024/04/08

中国共産党の現地当局者、あるいは権力を笠に着る不動産開発業者などによる強制的な土地徴用や家屋取り壊し、不当な立ち退きなどに遭った市民のなかには陳情の道へ進む人も少なくない。

陳情自体は中国公民の正当な権利であり、いかなる違法性もない。

しかし、実際に陳情すれば現地当局から目を付けられて弾圧され、辱められることになる。なかには「精神病院」という名の監獄に送られて、そのまま命を落とすケースもある。

先月29日、精神病院に送られた福建省福清市出身の陳情者である王愛英さんが死亡したことがわかった。

王さんと同じく陳情して精神病院に送られたことがある人物がエポックタイムズの取材に対し、王さんが精神病院内で受けたゾッとするような迫害の内情について明かした。以下の通りである。

「王さんは昨年9月に直訴するために北京へ行ったが、地元当局の官僚によって北京から地元へ拉致され、そのまま地元の精神病院に送られた。精神病院での監禁期間中、王さんは手錠や足枷をかけられたうえに殴打され肋骨を3本折られた。また、十数日の間に6本も採血され、不明な薬物を強制的に投与され、毒物を注射されていた。彼女は体が弱かったのか、彼女はそのまま亡くなった」

王さんが陳情した理由は、自身が所有する土地を奪われ、家屋も破壊されたためだという。

王さんと一緒に北京へ直訴しに行って地元へ強制送還された「薛宝珠さん」も、王さんと同じような迫害を受け、現在危篤状態にあり病院で緊急治療を受けている。

王さんの受けた迫害について明かしたこの陳情者も、「自分が精神病院に閉じ込められた(2022年)ときも王さんと同じ扱いを受けた」という。「その時の後遺症で、いまでも時々、意識がはっきりしないことがある」と明かした。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!