LINE、韓国企業との資本関係見直しについて社内検討 総務省指導を念頭 

2024/03/29
更新: 2024/03/29

LINEの利用者情報が漏えいした問題について、運営会社のLINEヤフーは29日、エポックタイムズの取材に対し、「総務省からの行政指導を受けて、(韓国企業NAVER社との)資本提携の見直しを含め、社内で議論している」と回答した。LINEヤフーとNAVER社の間には複雑な資本関係があり、政府は適切な管理が困難だったのではないかとの見方を示している。

日本の公共放送NHKは29日、LINEの運営会社が「業務委託を見直す方針を固め」たと報じた。LINEヤフーは一部業務を韓国企業に委託していたが、委託先企業がサイバー攻撃に遭い、そこからLINEヤフーの情報システムに不正アクセスが行われた。結果として個人情報などおよそ52万件が流出した。

度重なる個人情報の流出に対し、日本政府は数度にわたって行政指導を行なってきた。28日には個人情報保護委員会がLINEヤフーに対し、情報を安全に管理する措置が不十分だったとして、是正を求める勧告を行ったほか、総務省は今月初め、LINEヤフーに対し、韓国のNAVER社との資本関係について見直すよう求めた。

総務省は、LINE側の「社内ネットワークやシステム構築がNAVER社側による技術的支援を大きく受けて複雑に形成され、現在でも、その保守運用等をNAVER社側に頼らざるを得ないという関係が存在」することを問題視した。さらに、NAVER社は委託先としてLINEヤフーによる監督を受ける立場であるにもかかわらず、株式の持分関係ではNAVER社が持ち株会社としての性質を有していることを指摘した。

そして、「(LINE社側から)NAVER社側に対して安全管理のための的確な措置を求めることや、適切な委託先管理を実施することが困難であった」との見方を示した。

NHKによると、総務省は4月1日を期限に再発防止策の報告を求めており、LINEヤフーはITインフラに関わるNAVERへの業務委託を見直す方針を固めたという。

エポックタイムズの取材に対し、LINEヤフーは「現時点で特に発表する情報はない。資本提携の見直しを含め、社内で議論している」と回答した。情報漏えいに対する行政指導については「真摯に受け止めていきたい」とし、「しっかりと対処して、ユーザーに安心していただきたい」と述べた。

中国共産党などの権威主義政権による情報戦・サイバー戦・世論戦の脅威が高まるなか、通信の安全を守ることは今まで以上に急務となっている。総務省は韓国企業との密接なつながりが脆弱性になっているとし、「抜本的な見直し」を求めている。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。