【プレミアム報道】中共が行う「国境を越えた弾圧」(中) 大学に巣食う中共関連機関、学生を監視

2024/02/20
更新: 2024/02/20

有罪判決を受けた中国人留学生

中国人留学生は欧米諸国でも中国共産党の監視の目に晒されている。前回の記事で紹介した張さんによると、ボストンに住む民主派学生のゾーイさんは、大学のキャンパス付近に 「中国人と連帯する」「自由を望む」「民主主義を望む」と書かれたチラシを貼ったため、他の中国人留学生から脅迫を受けた。

「中国の治安当局に君の行動を報告した。国家安全局が中国にいる家族に会いに行くから」

バークリー音楽大学に通う中国人留学生のウー・シャオレイ被告はゾーイさんをこう脅した。「これ以上書いたら、その(侮辱的な言葉のため省略)手を切り落とすぞ」

「私は今日まで怯え続けています」とゾーイさんは述べた。

1月25日、ウー・シャオレイ被告はサイバーストーキング(オンライン上でしつこい嫌がらせや脅迫をするストーカー行為)と脅迫の罪で有罪判決を受けた。最高で懲役5年と25万ドルの罰金が科される。彼の量刑公聴会は4月に予定されている。

バークリー音楽大学はエポックタイムズの取材に対し、ウー・シャオレイ被告はすでに除籍されていることを明らかにした。

マサチューセッツ地区連邦検事代理のジョシュア・レヴィ氏は、ウー・シャオレイ被告が有罪判決を受けた日に声明を発表し、「この国のいかなる人も、政治的見解を表明したことによって、暴力の脅迫やサイバーストーキングによる嫌がらせを受けることがあってはならない」と述べた。

中共の「代理人」になる中国人留学生団体

中国学生学者連合会(CSSA)は、外国のキャンパスにおける中共の代理人として活動している。

米国政府の独立機関である米中経済安全保障審査委員会が2018年に発表した報告書では、中共の海外ネットワークにおける準公的機関の一例として中国学生学者連合会が挙げられている。

「海外の華人コミュニティや外国政府、その他のアクターに影響を与え、中共を支持する行動や立場をとらせる」ことがその目的とされている。

同委員会の2023年次報告書には、中国学生学者連合会の会員が大学内の中国人反体制派を監視する情報提供者として利用されている可能性があると記されている。

全米には約150の中国学生学者連合会の支部があり、その多くは中国大使館や中国領事館から資金援助を受けている。「フォーリン・ポリシー」誌のレポートによれば、ジョージタウン大学にある中国学生学者連合会の支部は年間予算の約半分をワシントンの中国大使館から得ている。

教育の自由を求める非営利団体、Foundation for Individual Rights and Expression(個人の権利と表現のための財団)の上級研究員であるサラ・マクラフリン氏は、中共領事館とCSSA支部が緊密に連携していることは、重大な懸念事項だと述べた。

マクラフリン氏は、「海を越えて米国にやってきても、中国共産党政権に監視されているかもしれない」という懸念が、最も留学生を悩ませていると指摘した。

2023年10月、ギャラガー下院議員は70人の大学学長に対するスピーチで、議会は外国政府から資金援助や指図を受ける学生団体の活動を停止すべきだと述べた。

米ネブラスカ大学リンカーン校でコンピューターサイエンスを専攻する王さんは、自分が本当に自由なのか疑問を抱いていた。

2019年8月に開催された学園祭で、中国人留学生のグループが王さんのブースを、幅12フィート(約3.5メートル)の巨大な中国国旗で覆ったのだ。

王さんは取材に対し、当時は法輪功を紹介するため、学園祭に参加していたと語った。留学生らが掲げていた赤い旗を見たとき、「たとえあなたが自由と平和の米国にいても、私たちは手を伸ばすことができる」とのメッセージを受け取った、と語った。

「中共の魔の手からは逃れられない」

王さんは、米国にいても完全に安全ではないことを悟ったと述懐した。

ブースが嫌がらせを受ける30分前、中国人留学生らはこれから起こることについて王さんに警告していたため、組織的な脅迫と嫌がらせの標的になっているのを知った。中国国内外を問わず、あのサイズの赤い旗を手に入れるには通常、政治的な後ろ盾が必要だ。

中国人留学生らはまた、王さんとその友人を撮影した。そのような写真やビデオが中国領事館に流れた可能性もあるという。

王さんは、人々には法輪功に反対する意見を表明する権利はあるが、学園祭で起きたことは明らかにその範疇を超えていたと話す。ブースを巨大な国旗で覆う行為は人々を黙らせるための嫌がらせに他ならず、中国共産党の従来の戦略だと指摘した。

Terri Wu
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