LUSH、動物実験廃止に向けた「Lush Prize 2024」最終候補者を発表 日本研究も候補入り

2024/02/09
更新: 2024/02/09

化粧品・バス用品メーカー「LUSH(ラッシュ)」は9日、動物実験廃止に向けた活動を推進する世界最大規模の基金「Lush Prize 2024」の最終候補者を決定した。心臓病研究で動物実験を用いない日本の技術など、世界から計55のプロジェクトが最終選考に残った。

『Lush Prize』は、動物実験に頼らない研究開発支援や動物実験の廃止に向けた活動を推進することを目的に、2012年にラッシュと英消費者団体エシカルコンシューマーが共同で設立した。以来、医療検査における動物の使用に対して対策を講じた数多くの研究やプロジェクトを表彰しており、今回の優勝者には、賞金25万ポンド(約4620万円)が授与される。

日本からは東京女子医科大学の菊地鉄太郎博士が最終候補者に入った。同氏の研究は、幹細胞を含むヒト多能性幹細胞と心臓のドーム型(ドーム型心筋組織)の構造を再現し、血流のための拍動を模倣するよう研究室で設計された組織を使い、動物実験をすることなく心臓病を治療するための新薬の試験を行うことを可能にした。

さらに、人体に近い状態での実験をすることが出来るだけでなく、動物実験では予測することが出来ない人間の心臓トラブルや、実験による動物への苦しみを排除することにもつながるとしている。

その他、米ジョンズ・ホプキンス大学ビョンギク・キム氏の動物実験をしないボトックス試験や、カナダ非営利団体「アニマル・ジャスティス」の化粧品検査に関する法律改正キャンペーンなどが最終候補者として挙げられた。

毎年、世界中の実験室で使用される動物の数は約2億匹を超えると推定される。ラッシュの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・コンスタンティン氏は「何年も動物実験を終わらせるべく、戦ってきました」と述べ、動物を使用しない代替法を訴えた。

大紀元日本 STAFF