期限切れ3か月の食品を「シール張り直し」で再販売?=中国 内モンゴル

2024/02/05
更新: 2024/02/05

今月1日、内モンゴルのあるケーキ店の商品に「製造日」のシールが2重に貼られていることを示す動画がネットに流出した。

動画撮影者は「よーく見ないとわからないですよ、これは」と説明しながら、箱に貼ってある商品シールを手ではがして見せた。

シールには「蝴蝶酥」と書いてあるので、これはおそらくパルミエ。日本でいう「源氏パイ」のような洋風菓子であるらしい。

もともと貼られていたシールに書かれている製造日は「2023年9月20日」であった。しかし、その上に重ねて貼られたシールには、なんと「2024年1月25日」とあったのだ。

つまり、新たにつけられた製造日は、もとの日付より4か月も長くなっている。この食品の保存期限は30日間である。先に貼られたシールの製造日が本当であれば、この食品は「期限切れして、すでに3か月以上経つ」ということになる。

動画撮影者によると「同じような商品は、この店の中で、ほかに何個も販売されている」という。

関連動画に寄せられたコメントのほとんどが「驚くことはない。中国では、よくあることだよ」だった。

確かに「中国では」そうかも知れない。とは言うものの、3か月過ぎの食品が店で売られていたら、やはりそのまま聞き流せる冗談ではない。

これによって健康被害が出たかどうかは不明だが、中国の食品の安全性への懸念とともに、それを生み出す社会道徳の欠如を憂慮せざるを得ない。

(「蝴蝶酥」という洋菓子の製造日シールが、二重になっていた)

再び問われる「中国食品の信頼性」

中国における食品の安全性の欠如は、以前から深刻な社会問題であると指摘されてきた。

実際、驚くほど管理がずさんで不衛生な環境のなかで、食品や飲料が生産されているのだ。それらは中国の国内向けばかりでなく、日本や韓国など海外に輸出されるものもある。

そのなかから時折暴露されてニュースになっている事例は、まさに「氷山の一角」に過ぎない。関連情報をネットで検索すればするほど、中国製の食品や飲料に対して、激しい嫌悪感と拒絶反応を起こしてしまう。

中国の食品の問題の原因は何か。その答えは、極めて明快である。生産者や販売者の道徳が欠如しているため、責任感をもたず、人間の食物を作る誇りも理念も失い、ただ「売ってしまえばいい」としか考えないからだ。

「品質が良くて、売れる」ならば健全な商業活動であるが、今の中国はそうではない。顧客や消費者を騙してでも、とにかく「売ってしまえばいい」というレベルにまで堕落しているのだ。

そうした不条理だらけの経済は、体制からして一度リセットされなければ、本当の再生はない。

しかし「腐敗の模範生」である中国共産党の統治下では、もはや中国経済の再生は望むべくもないだろう。中国で「不良食品」や「不良製品」が無尽蔵に生まれる根源的な理由は、そこにある。

(工場ぐるみで行われる、火鍋のタレの「製造日」改ざん)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。