ハマスが中国の武器を大量保有か…アサルトライフルやグレネードランチャーなど

2024/01/09
更新: 2024/01/08

昨年10月より武装組織ハマスイスラエル国防軍(IDF)との激しい戦闘が続いている。こうしたなか、イスラエルの情報当局者はハマスが中国製の武器を大量に保有していると、同国メディア「チャンネル12」に明らかにした。すでに多くの武器をハマスから押収しており、アサルトライフル(突撃銃と訳される自動小銃の一種)やグレネードランチャー(単発式の擲弾発射器)が含まれるという。

同報道によれば、イスラエル軍が押収したハマスの武器には、中国製の武器のほか米国製M16自動小銃およびその弾倉、軍用無線機器などの通信機器があるという。この報道について、イスラエル政府は公式のコメントを出していない。

イスラエル軍が押収した武器には情報収集と通信機器があり、これらはハマスが10月7日にイスラエルに対して大規模な突然の攻撃を行った際に一定の役割を果たした可能性がある。

「これらはハマスが以前には持っていなかった最先端の武器や通信技術だ。また、非常に高度な爆発物も過去には見たことがないもので、その量も特に多い」とイスラエルの情報筋はチャンネル12の取材に述べた。

イスラエル政府の統計では、ハマスの攻撃により国内で約1100人が死亡し、さらに240人が人質として拉致された。現在、約129人がハマスによってガザで拘束されている。

中国は通常、非国家主体には直接武器を販売していないが、中東の国々には武器を販売しており、その武器がハマスの手に渡った可能性があると専門家は述べている。中国の個人や組織が以前、イランへ弾道ミサイルの材料を提供したとして米国務省の制裁対象となっている。

中国は過去にパレスチナ武装組織に武器と軍事訓練を提供していたが、1992年にイスラエルとの外交関係を樹立してからは、パレスチナへの支援は大幅に減少させていた。

ネタニヤフ政権は中国共産党政府と関係を醸成しており、イスラエル第三位の貿易相手国でもある。中国企業がイスラエルの港湾や鉄道網といったインフラ建設にも積極的に参加している。

しかし、今回の武器発見で、双方の関係には亀裂が入る可能性がある。イスラエルとハマスの戦闘以来、中国共産党はハマスが戦端を開き、民間人を攻撃したことへの非難を避けており、王毅外相はイスラエルの行動が「自衛の範囲を超えている」と批判している。

英デイリー・テレグラフ紙は情報筋の話として、イスラエルとハマスの戦争が勃発した後、中国のイスラエルに対する態度は「大きな変化」があったという。以前のイスラエルへの好感と称賛は「反ユダヤ」的立場へと急速に変化している。

実際、中国SNS微博には、反イスラエルの言説が少なくない。インフルエンサーの中には、昨年10月のテロ攻撃以降、ハマスを公然と支持する者もいる。中国のSNSは共産党の検閲を経なければ表出することはなく、ハマスへの支持は容認されている。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。