4月に行われた東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反で、東京地検特捜部は28日、衆院議員で前法務副大臣の柿沢未途容疑者(52)と秘書4人を逮捕した。柿沢容疑者は、木村弥生前区長の当選を図る目的で、地元区議や運動員に約260万円の現金を配布した疑いが持たれている。
柿沢容疑者は、2月ごろに秘書と共謀して、区議選に出馬予定だった候補者5人に100万円を渡し、別の立候補予定者3人に60万円の提供を申し込んだ。また、3月ごろに選挙運動関係者1人に20万円を渡し、7~10月には非自民の元区議に約80万円を振り込んだ。これらの資金は「顧問料」の名目であったとされる。
柿沢容疑者は2009年にみんなの党公認で衆院選に出馬し初当選し、2021年衆院選では江東区を選挙区とする東京15区から5回目の当選を果たした。今年9月に法務副大臣に就任したが、木村氏に違法なインターネット有料広告掲載を提案した責任を問われ10月に辞任、12月には自民党を離党した。
11月の任意の事情聴取で、区議らへの現金提供を認めたが、「陣中見舞いだった」と買収の趣旨を否定している。特捜部は、木村氏の自宅や区長室、柿沢容疑者の事務所や秘書の自宅などを捜索し、秘書に現金を配布するよう指示したとみている。
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