「刑務所ではどんどん人が消える」中国で拘束された台湾人実業家、法輪功迫害を目撃

2023/12/31
更新: 2023/12/26

台湾の実業家、李孟居さん(51)は2019年、わずか2日間の深圳への出張の最中、当局に拘束された。4年あまり自由を剥奪され、今年9月ようやく台湾に帰国。李さんは収監先で、いまもなお続く市民や宗教団体への迫害、特に法輪功の弾圧を目撃した。

中国の刑務所にいる間、そこで起きている残虐行為、特に法輪功学習者(以下、学習者)に対する迫害を目にした。そして「私は共産党政権による信教の自由の侵害を非難する」と10月26日付の大紀元に語った。

逮捕

拘束の理由は、デモの参加と写真撮影にすぎない。2019年8月に香港で活発に行われた反送還法案抗議に参加したこと、そして宿泊していた深圳のホテル近くのスタジアムに集まっていた数百人の武装警察を写真に収めたことだ。

深圳を離れる際、当局に呼び止められ、所持品検査を受けた。ビデオカメラに写っていた香港や深圳での写真に違法性が疑われるとして、連行された。その後、「居住監視」と呼ばれるホテルでの軟禁措置を72日間受けた。

2020年10月、中国中央テレビ(CCTV)は公開自白を李さんに強要し、「台湾側の数百件のスパイ事件」に関与したと濡れ衣を着せられ、「祖国」への「謝罪」を強いた。

スペイン拠点の人権団体セーフガード・ディフェンダーズによれば、自白強要で対象者を犯罪者に仕立てることで、国内に向けて共産党の正当性を示す狙いがあるという。

「中国と香港の関係が悪化する中、私はスケープゴートにされたのです」「中国共産党(以下、中共)は当初考えてものとは異なることがわかりました」と李さんは述べた。

多くの台湾人企業家と同様、李さんは中国での政治的議論を避けることが身の安全を確保すると信じていた。「しかし、中共は想像以上に非合理的なのです」

迫害

李さんは、広東省南部の肇慶刑務所に拘留された。刑務所には20の区画があり、それぞれに数百人の収容者がいた。李さんが収容された区画には、少なくとも5人の学習者がいた。学習者は特に標的にされ、非人道的な扱いを受けており、刑務所側はあらゆる機会をとらえて処罰を加えていることを目撃した。「彼らは法輪功を修煉しているというだけで監禁されていました。中共に特別扱いされていたのです」

法輪功は、法輪大法とも呼ばれ、真・善・忍という3つの基本原則に基づいた道徳的な教えを含む精神修養法である。1990年代に中国で人気を博し、当時の公的推計によると、10年で7000万人から1億人に達したという。

無神論の中共政権は1999年7月20日、増大する学習者を権威主義的支配に対する脅威とみなし、法輪功撲滅のための大々的なキャンペーンを開始した。法輪大法情報センターによると、それ以来、数百万人が刑務所や労働収容所などに収容され、数十万人が拷問を受けたという。
 

臓器強制摘出

李さんは、中国の刑務所における異常な現象を指摘した。名前も家族も経歴も不明な受刑者は、ある日突然姿が見えなくなってしまうという。

受刑仲間からは、中国東北部のある刑務所では新規収容者の3分の1が4か月以内に姿を消すと聞いた。「このことは受刑者の間で議論を呼び起こし、姿を消した人々は、生きたまま臓器を摘出されたのではないか、考えていました」と李さんは思い返す。

渡航禁止の2年間で、李さんは中国の105の都市を訪れたが、学習者への迫害に関する多くの話に出会ったのは中国東北部だった。長春市を訪れた際、現地の友人である趙さん(仮名)が不穏な話をした。中共が法輪功を迫害し始めた後、小中学校の同級生やその家族など多くの学習者が不可解な失踪を遂げたのだという。

趙さんによると、同級生の一人が家族が行方不明になっているのに気づき、中共の関与を疑った。家族の消息を求めて他の家族も当局に出向いたが、結局、中共に拘束された。「地元住民は、20年経っても行方不明者全員の消息がわからないそうです」

中国では自発的な臓器提供はまれであるにもかかわらず、2000年代初頭から臓器移植産業が著しい成長を遂げている。国際人権弁護士のデービッド・マタス氏は、法輪功への迫害が始まった数年後の2000年代初頭から、臓器摘出のための大規模な殺害が始まったと述べた。マタス氏は8月23日、「この数十年の間に、その証拠は積み重なっている」と述べた。

共産党は異論を容認できない

李さんによれば、中共政府の広範な法輪功中傷キャンペーンにもかかわらず、若い世代を含む相当数の中国国民は中共の欺瞞と残虐性を認識しているという。そして「中国国民も有意義な宗教信仰を持つに値します」と強調する。李さんによれば、中共は無神論者であるため、宗教的信念を抑圧するために極端な手段を用いている。そして台湾人は、言論の自由や信教の自由、集会の権利など、憲法で認められている基本的権利について、中共と対話できると考えてはならないと述べた。共産主義者は、社会における異論を容認することはできないのだから。

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