米国防長官、民間人保護呼びかけ イスラエル作戦「次段階」へ

2023/12/19
更新: 2023/12/19

[エルサレム/テルアビブ/カイロ/ガザ 18日 ロイター] – イスラエルを訪問している米国のオースティン国防長官は18日、イスラエルに対する米国の支持は「揺るぎない」としながらも、イスラム組織ハマスとの戦闘が行われているパレスチナ自治区ガザの民間人の保護に一段と取り組むよう求めた。

オースティン長官はテルアビブで行った記者会見で、戦闘に巻き込まれている民間人の被害を抑制する方法についてイスラエルのガラント国防相と協議したとし、大規模な戦闘から集中度が低い作戦への移行について協議したと言及。「どのような作戦にも段階がある」と述べた。

その上で「民間人を保護し、ガザ地区への人道支援を拡大させるよう、引き続き要請していく」と語った。

米国はイスラエルに兵器などを提供し支援を行っているが、民間人の犠牲者が増える中、バイデン米大統領は先週、イスラエルはガザ地区への「無差別」の爆撃によって支持を失いつつあると述べ、ネタニヤフ首相は強硬路線の政権を変える必要があるとの認識を示した。

ただオースティン長官は「イスラエルの安全保障に対する米国の支持は揺るぎない。イスラエルは孤立していない」と述べ、イスラエルに安心感を与えた。

これに対しイスラエルのガラント国防相は、ガザ地区での作戦を徐々に次の段階に移行させ、ガザ地区の住民が沿岸部の北部にまず戻れるようにすると表明。「ガザ地区のさまざまな地域を近いうちに区別できるようになる」とし、「任務が達成された全ての地域で作戦を徐々に次の段階に移行させ、住民を戻すための作業が開始される。このことは、南部よりも北部の方が早く達成できることを意味する」と述べた。

ただ、次の段階に移行する時期について、ガラント国防相とオースティン長官は共に明言しなかった。

オースティン長官はまた、イスラエル人とパレスチナ人の双方が「希望を得るに値する」と述べ、紛争解決に向け「2国家共存」の推進を改めて呼びかけた。

Reuters