ガザの病院での爆発事件の裏では、真相に関しての混乱と波乱が続いており、この問題は今、世界の中で、大きな謎として取り上げられている。
現地時間10月17日午後6時59分、ガザの病院で爆発が起きた。このニュースは速やかに国際的に拡散された。当初、英国のロイターやBBC、アメリカのAP、『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『ニューヨーク・タイムズ』、『ロサンゼルス・タイムズ』、そしてアラブのアルジャジーラを含む7つの主要メディアが、第三者の確認を行わずにパレスチナの保健省の声明に基づいて、イスラエルがガザの病院を爆撃したと報道した。これらの報道では、イスラエルの攻撃による多数の死者が強調され、『ロサンゼルス・タイムズ』の見出しには、少なくとも500人が死亡したと明記されていた。
これらの報道を受け、国際的な世論は急激に変わり、多くがイスラエルを非難する方向へと傾いた。しかし、真相はどうだったのか? 実際の爆撃の瞬間を捉えたライブ映像が存在し、その映像にはガザの病院を攻撃した爆弾がどこから来たのかが示されていた。
■ガザから発射されたロケットが病院を直撃した?
イスラエルのテレビで放送されたその映像には、ガザの病院爆破の瞬間が映っていた。その映像には、少なくとも1発のガザから発射されたロケットが病院に直撃した様子が映っていた。イスラエル空軍の爆撃ではないことが映像から判明したのだ。映像には、ガザのランドマークの建物やロケットの軌道、爆発の場所もはっきりと映っており、日付や時刻も示されていた。
午後6時59分、映像の右側にある病院で爆発が確認できた。その時、病院の左側では多数のロケットが発射されていた。映像のナレーションには、「これはチャンネル12の映像で、ガザ地区を望遠で捉えたものだ。ロケットの飛行経路や爆発の様子から、ガザ地区からのロケットであることが確認できる」との説明があった。
後に、イスラエル国防軍からの詳しい説明が出された。病院の破壊はイスラム聖戦組織のロケット発射失敗が原因で、ロケットの先端にある爆発部分が、病院の隣の駐車場に落ちて爆発したという。しかしながら、ミサイル攻撃時に通常見られる爆発のクレーターや、近隣の建物の大きな損傷は確認されなかった。
翌朝、病院の爆発現場からの写真が公開され、更なる実際の状況が明らかとなった。
ガザの病院が爆撃された翌日の朝に公開された写真は、病院の駐車場の様子を示している。写真からは、駐車場の一部の車が激しく焼損しているものの、ミサイルが当たった際の通常のクレーターは見られず、駐車場を囲む建物にも構造的な損傷は確認されなかった。
駐車場には小さな穴が確認されているが、これが爆弾によるものだとは考えにくい。イスラエルのミサイルが当たった後の通常のクレーターがどのように見えるか示す比較写真が存在するとのことだ。
ロシアのタス通信が公開した病院の現場の動画では、事態がより詳細に説明されている。
動画で示されているガザの病院では、最も大きな被害を受けたのはいくつかの車であり、周辺の建物の窓ガラスがいくつか破損している。建物内の物品に爆発の痕跡はほとんど見られない。これらの映像から、爆発により少なくとも500人が死亡したとされる報道に疑念を抱く人たちもいるだろう。
■ハマスのメンバーが仲間の発射失敗を認めた?
さらなる証拠として、イスラエル国防軍はハマスのメンバー2人が「ガザの病院に落ちた失敗したロケット」について語っている録音を公開した。
ハマスメンバーの会話の記録によれば、病院の駐車場に着弾し爆発を起こしたのはパレスチナ・イスラム聖戦組織のロケットであったとのことである。
ハマスメンバー1:「言うが、このようにミサイルが落ちるのは初めて見る。パレスチナ・イスラム聖戦組織がやったと思う」
ハマスメンバー2:「何と?」
ハマスメンバー1:「パレスチナ・イスラム聖戦組織がやったとのことだ」
ハマスメンバー2:「我々の仲間たちがやったのか?」
ハマスメンバー1:「そうらしい」
ハマスメンバー2:「誰が、そう伝えたのか?」
ハマスメンバー1:「ミサイルの破片は地元製で、イスラエル製ではないとされている」
ただし、イスラエルが公開したこの会話記録の真偽は未だ確認されていない。
10月18日、バイデン大統領はガザの病院の爆発がイスラエルの攻撃ではないと公式に表明した。
この件において、メディアの報道タイトルの変更が数回行われ、注目を集めている。
初めのタイトルは、「パレスチナ人曰く:イスラエルの攻撃で病院で数百人が被害を受けた」とされていたが、次にイスラエルの文字を削除して「パレスチナ人曰く:ガザの病院の攻撃で少なくとも500人が死亡」と変更され、その後「ガザの病院の爆発で少なくとも500人が死亡」と再変更された。最後の変更では「攻撃」という言葉が削除され、「爆発」という中立的な表現に変更されている。
しかし、これらのタイトルがすべて「パレスチナ人曰く」という前置きで始まっており、情報源がハマスの主張に依存している可能性が高い。
この事件により、世界中でイスラエルのガザ攻撃に対する抗議のデモが大規模に行われた。また、バイデン大統領とパレスチナ、ヨルダン、エジプトとの四者会談は中止となったのである。
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