中国経済が衰退を続け、人々の所得が減少するにつれて、消費パターンが変化していることに気づく。多くの人々が価格に敏感になっており、お金を使うことに恐怖さえ感じている。従来の慣例として「低価格で勝負する」ことが、一部の本土企業の生き残りのルールになっていて、それは利益が薄く、事業を回転させる資金の還流が期待できない状況なのだ。
中国の消費は低迷しており、経済の暗雲は晴れ間を見せようとしていない。
多くの若者が失業し、あるいは賃金低下のために、一般消費者も同じような状況になっている。また、これからに大きな不安を感じており、出費を抑えるために市場で、より安い物品を探す消費者が増えている。それは自然の流れだ。
中国のSNSでは、ネットユーザーが「消費の格下げ」と「低価代替」、つまり高品質の商品をより安く買う方法について議論が沸騰している。
例えば高級化粧品、ナイキ靴、香水などの低価代替品。
台湾の金融専門家黄世聡氏は、
「これは、経済が低迷し、人々の収入が減少したために、価格に対する敏感度が高まり、各業界で価格が下落する傾向が出現する経済現象です。このような状況では、国全体がデフレ環境を形成するでしょう。これは何を意味するのか。それは、経済成長の原動力に非常に大きな問題があるということです」
と述べた。
「財布を締め、出費を抑える」ことが、国民にとって新たな消費習慣となっている。店舗や企業間の競争もかつてないほど激しくなった。
例えば、中国のブランドチェーンである瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)は、コーヒー1杯の価格を9.9元のディスカウントを提供したが、ライバルの庫迪珈琲(クーディーコーヒー)はコーヒー1杯の価格を8.8元に下げ、その差はわずか1元だが、より多くの顧客を獲得することに成功した。
黄氏は、
「今話題になっている中国のデフレの原因は、国内の消費力が低下しているからだ。所得が減っているため、価格に対する感度が非常に高く、店舗やメーカーが少しでも値下げしてくれればお金を使おうという気になる。消費が少なくなった分、消費財の値下げ需要は大きい。したがって、このような状況では、あるメーカーが値下げをすれば、他のメーカーもそれに追随する」
と解説している。
また、スナックブランドが価格を大幅に引き下げるのも一般的な現象となっている。例えば、農夫山泉水は当初2元だったが、現在は1.2元、百歳山ミネラルウォーターは当初3元だったが、現在は1.8元などである。
エポックタイムズのコラムニスト王赫氏は、
「現在、一般消費者の生活は全般的に厳しく、経済の見通しは総じて全く暗い。社会全体は、中国共産党(中共)が過去に言った、内需が不足し、自信が弱まるという三重の危機のように、現在も中国経済の現実を反映している」
と述べた。
「電と店」の調査報告によると、各有名ブランドの主力商品の割引率は「一般的に30%~40%オフ」だという。
王氏は
「それは全体の経済が良くない、全体の消費のダウングレードにつながった。では、この消費のダウングレードによる直接の結果は何だろうか? 中国の内需は減少していて、経済全体の成長の勢いが鈍化し、弱まっている。このような状況下で、中共は長年投資に頼って経済発展を牽引してきたが、もはやそれを続けることはできない」
と述べた。
また、3大eコマース・プラットフォームの間でも「価格競争」が始まっている。
京東商城 (ジンドンしょうじょう)は今年3月に早くも「100億補助金」戦略を打ち出しており、この偽装大幅値下げに刺激され、第2四半期には京東のプラットフォーム上の企業加盟店の数が大幅に増加した。
タオバオは、すぐにまた、いわゆる「価格力」など「5つの戦略」を出し、絶頂期にこの価格戦争を打ち出したのである。拼多多(ピンドウドウ)も同様に、以前の「低価格」戦略を継続している。
黄氏は
「デフレはすべての市場に伝染する。つまり、デフレ環境では金利が下がり、金利が下がると人民元高が進みにくくなり、人民元安になる。その後、お金の価値が安くなり、それでも景気を押し上げることができなければ、悪循環を形成し、救う力を見つけることができなくなる」
と述べた。
中国の経済状況が長期的に悪化し続ければ、中共内部の政治分裂を引き起こし、社会全体の不満がさらに高まる懸念があるという。
王氏は
「中国経済の最大の問題の1つは、貧富の差が非常に深刻で、経済全体の果実が一部の人々に略奪されていることだ。一般大衆には正当な分け前が与えられていないため、現時点では社会全体における政府と民衆の対立が相対的に激しくなっている。ひとたび中国経済が急激に悪化し、多くの国民が食べるものに事欠くようになれば、誰もが何もせずにはいられないだろう」と述べた。
ロイターの世論調査によると、ほとんどの日本企業が、中国経済が2025年まで減速し続けると見ている。
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