今月27日、河南省の地方銀行によって預金を凍結された預金者ら約100人が、抗議活動に参加しようとしたところ、河南省の警察によって逮捕されたことがわかった。
これら預金者は、同省の洛陽市にある「中国人民銀行洛陽支店」の前で予定されていた凍結預金の返還を求める抗議活動に参加するため、それぞれの住所から洛陽へ向かっていた。
ところが、ほとんどの預金者は、高速道路の出入り口で待ち構えていた河南省の警察によって取り押さえられた。結局、抗議地点に到達できたのは、わずか数人の預金者だけだったという。
銀行前で、数人の預金者らは「河南省政府は市民の合法的な預金を略奪した。市民の人身の自由まで制限した。銀行預金が違法に清算されるようとしている。恥知らずだ」といった内容の横断幕を掲げて抗議を行った。
預金者の一人である楊さんは、「百人近くの預金者が抗議の場所に向かった。ところが、河南省は全省の警察を出動させ、高速道路の出口にも検問を設置するなどして、我われを取り押さえた。みんな警察署へ連行された」と明かした。
他の預金者は「私たちは警察に脅迫されている」と訴えた。しかも「外国メディアの取材に応じることは禁止されている。北京へ陳情しにいくことも許可されていない」という。
河南省と安徽省の複数の銀行は昨年4月中旬以降、顧客の全ての預金を凍結した。預金者が受けた被害の規模は400億元(約8172億円)。影響は約40万人に及んだ。地元政府は「問題を解決する」といってきたが、実際には全く解決されていない。
この問題をめぐり、これまでにもたびたび預金者はいろいろな場所に集まって抗議活動を行ってきた。これに対して地元当局は、預金者への暴力をふくむ逮捕や抗議活動の妨害など、容赦ない方法で鎮圧を行っている。中国のネット上でも、同件に関する投稿は検閲されている。
今年4月、河南省の地方銀行は「凍結した預金のうち、10%だけ支払うこと(清算)」を申し出た。しかし、預金者の猛反対に遭い、最終的に「清算額を50%に増額して、8月31日までに清算作業を終了する」と発表した。つまり、増額したとは言うが「銀行に預金した金額が50%になる」というのだ。
だが、一部の預金者によると、清算の申し込み後、預金口座は抹消され、預金残高がゼロになった。
その代わり、手に入れたのは凍結された預金の「わずか10%だった」という。預金の90%は、銀行という看板を掲げた強盗に奪われた、と言ってもよい。
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