不法移民がNYに殺到 民主党議員がホワイトハウスに非常事態宣言を要請

2023/08/03
更新: 2023/08/03

ニューヨーク市の民主党議員54人はバイデン大統領に書簡を送り、連邦政府が非常事態を宣言し、不法移民が合法的に米国内で就労できるように求めた。

ジェニファー・ラジクマール議員はこのように書いた。

「私たちニューヨークの公選による公職者は、助けを求めている。 私たちの市は前例のない移民の流入を経験しており、歴史上かつてないほどの数の難民申請者がここに来ている。 私たちの街は限界に達している」

ニューヨークが移民にとって希望の光であることを誇りに思っているが、移民の流入が多すぎて、市のリソースが不足しつつある。 ニューヨーク市は住民向けサービスの削減を余儀なくされている」

2022年の春以来、テキサス州南部の国境から送り込まれた不法移民のバスが定期的に市内に到着している。その多くは社会主義国ベネズエラの経済崩壊から逃れてきた亡命希望者で、ニューヨーク州の当局者らは不法移民を歓迎している。

すでに6万人以上のホームレスの収容に困難を抱えている当局は、数万人の亡命希望者のための住居探しに取り組んでいる。

2022年10月、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は市内に非常事態を宣言した。同氏の事務所によると、不法移民の流入により、すでに過重な負担を強いられているシェルターシステムの収容人数がほぼ倍になり、1会計年度内に10億ドルのコストがかかる可能性がある。

「我々は助けを必要としており、今すぐに必要なのだ。ニューヨーク市は自分の役割を果たしている。今、他の人々も立ち上がり、私たちに参加する必要がある」とアダムズ市長は述べている。

緊急権限

市は先週、州立精神病院の駐車場で不法移民1000人を収容する避難所を設置すると発表した。この特別な使用事例は、非常事態宣言によって可能になった。

連邦非常事態宣言により、連邦機関は不法移民向けの住宅やサービスに協力し、資金を提供できるようになる。

「連邦政府は移民に、避難所、食料救援、医療、法的援助、交通手段などの支援を提供できるだろう」とラジクマール議員は書簡で書いた。

54人の議員はまた、バイデン政権に対し、不法移民の国内での労働許可を認めるよう要請した。

「連邦政府は雇用許可書の発行を急がなければならない。これは常識であり、超党派の解決策だ。亡命希望者は働く意欲を持って米国に来ており、我が国には1000万件の求人があるが、労働人口は予想よりも350万人少ない」

「私たちはホワイトハウスに対して、難民申請者を難民として分類すること、一時保護ステータスの拡大、人道的仮釈放へのアクセスを増やすこと、難民申請を処理する職員の増員など、就労許可を迅速化するための行政措置を講じるよう求める」と書簡に書かれている。

この書簡は入国する不法移民の数の抑制には言及しておらず、合法移民と不法移民の区別もしていない。その代わりに、連邦政府に対し、ニューヨーク市に追加の資金を提供すると同時に、亡命者が不法に南部国境を越えることを容易にし、不法移民を全米各地に移住させるよう要請している。

同市は米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)を通じて1億460万ドル(約1500億円)を受け取っているが、議員らによると、これはわずか13日間の救済に相当する。

市は2024年6月までに43億ドル(約6063億円)を支出すると予想している。

「当市への移民を歓迎する一方、現在の移民政策とその対応の組織化されていない状態は終わらせる必要がある。移民危機を管理するためのルールシステムを整備する必要がある。だからこそ、ホワイトハウスに介入して、亡命希望者の流入に対してリーダーシップを取るよう訴えている。

ホワイトハウスのリーダーシップの下で、この危機をチャンスに変えることができ、これが歴史上最大の成功事例の一つになると信じている」と書簡には書かれている。 

住宅危機

現在、市は約5万2千人の不法移民を避難させており、当局者は週ごとにさらに来ると述べている。

サンクチュアリ・シティ(聖域都市)」として、ニューヨーク市は不法移民の逮捕や国外追放に連邦当局に協力しないと宣言した全米のいくつかの都市の一つだ。

同市の「避難権法( right to shelter law )」は、ホームレスの家族はその日のうちに、成人は一日以内にベッドを提供されなければならないと定めている。ベッドが不足すると、市は病院の駐車場、飛行機の格納庫、公園、競馬場など、可能な限り一時的な避難所を急いで作ることになる。

これらのアイデアの大部分は、コミュニティから強く反発されている。すでに住宅問題を感じており、自分自身の永住住宅を見つけることができない市民たちは、自分たちのジム、学校、公園を不法移民のための住宅に変えるという市の計画に衝撃を受けている。

ニューヨーク市はさらに、市の北部にバスで不法移民を移動させる計画を立てていたが、その地域の地元当局はすぐに反発した。ニューヨーク市はほとんどの市のリソースを活用して必要な避難所を見つけようとしている。 このまま不法移民の数が増え続け、問題が深刻化して、連邦政府が介入するような事態になれば、この傾向が逆転する可能性は低いだろう。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。