カナダの人権派弁護士デービッド・マタス氏は、24年間続いている中国共産党の法輪功学習者に対する弾圧や臓器狩りは、短期間で行われるジェノサイドよりも察知されにくい「長期にわたるコールド・ジェノサイド」だと指摘した。
臓器狩りの調査の第一人者であるマタス氏は、エポックタイムズの姉妹メディア・新唐人テレビ(NTD)の取材で「ルワンダのツチ族のように、短期間にジェノサイドが行われれば、目立つので認識しやすい」と指摘。しかし「法輪功のジェノサイド」は一度に全員が殺されたのではなく「年に数千人というペースで殺害されているので、人々に察知されにくい」と述べた。
英国人弁護士ジェフリー・ナイス氏が率いる独立法廷「中国民衆法廷」は2019年、中国政権は長年にわたり、相当な規模で良心の囚人から生きたまま臓器を摘出する臓器狩りを行っていると結論づけた。
また「中国での臓器移植濫用停止国際ネットワーク(ETAC)」によると、中国には拘禁されている多くの良心の囚人がいるため、「逆マッチングシステム」が可能となっていると指摘。このシステムでは「臓器移植希望者(レシピエント)に最も適合する囚人が選ばれ、移植のために臓器が摘出され殺される」とETACは説明している。
さらにマタス氏は、法輪功迫害は「ジェノサイド」と認定されるべきだと主張した。
ジェノサイドは国際法では、国家、民族、人種、宗教集団の全部または一部を破壊する意図のある行為と定義されている。「法輪功への弾圧は金銭的な理由に基づくものではなく、イデオロギーに基づくものだ。そのため『ジェノサイドではない』との主張には同意できない」と強調した。
法輪功は法輪大法とも呼ばれ、ゆっくりとした動作と 「真・善・忍」の理念からなる中国古来の精神修養法。しかし、その人気を脅威とみなした当時の国家主席・江沢民が1999年に弾圧政策を実施して以来、中国本土では何百万人もの学習者が収容施設に入れられ、拷問や臓器狩りで命を落としている。
(翻訳編集・ 徳山忠之助)
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