先月29日、映画『パッション』(2004年)や『シン・レッド・ライン』(1998年)などの出演作で知られる米国人俳優のジム・カヴィーゼル氏が、EpochTVの対談番組「米国思想リーダー」に出演した。
彼は、自身の主演最新作「サウンド・オブ・フリーダム」について、米国で行われている性的搾取を目的とした児童人身売買に光を当て、数十年にわたり推進されてきた「小児性愛の企て」に関して保護者たちに警鐘を鳴らす作品だと語った。
本作でカヴィーゼル氏が演じたのは、元米国国土安全保障省の特別捜査官であるティム・バラードという実在の人物だ。
売春組織からある少年を救出したバラードは、少年の妹がまだ囚われていることを知る。彼は少女を救出すべく、特別捜査官の職を降り、命の危険を顧みずコロンビアの密林の奥地へと向かう。
対談番組「米国思想リーダー」には、この映画のモデルとなったバラード氏本人も出演した。「暗く、心をかき乱す映画の内容かもしれませんが、これは実在の人物と出来事に基づいています」と述べた。
「これは正真正銘、真実の物語。登場する全キャラクター、全悪役は実在の人物です」とカヴィーゼル氏は語った。
「映画の最後に善人も悪人も子供も出てきて、現在の居場所が示されます。私たちは彼らの居場所を知っているのです。皆、実在する子供たちです。中には青年となって私たちの仲間に加わり、人身売買から人々を救出している者もいます」
2013年、バラード氏は政府の職を辞して、非営利団体「オペレーション・アンダーグラウンド・レイルロード」を立ち上げた。
同団体は世界中の法執行機関と協力して、搾取されている児童を救出し、生存者の回復を支援している。彼らはエクアドル、メキシコ、ウクライナなど、女性や子供が人身売買の被害に遭いやすい不安定な地域や紛争地域で活動している。
同団体によれば、米国における顧客層の広がりが、これらの国々における子供の誘拐や性的搾取を推進しているという。
バラード氏は、全世界で2,700万人にのぼる男性、女性、子供の奴隷から年間1,500億ドルが生み出されており、そのうち600万人が子供だと指摘している。
「そのうち約200万人が商業的な性売買の対象になっていると推定されています。米国は人身取引の目的地国としては3位で、児童強姦映像の消費量では1位です。今や搾取される児童の数でも1位に近づいています」
この映画は「邪悪に対する強大な対抗手段」
2019年、バラード氏は上院司法委員会での証言で、売春目的で子供を密輸しようとする者たちに対抗する上で、米国-メキシコ国境の壁の拡張と強化が効果的であると主張した。
彼は現在、両国のいい加減な国境の取り締まりは、この利益を生む市場に応じた大規模な計画の一部ではないかと疑っている。
「なぜ過去2年間に85,000人以上もの未成年者が同伴者なしで南部国境に現れ、身元確認もDNA検査もなく身元引き受け人に引き渡されているのでしょうか?」
「これら数千人の子供たちは、名前と電話番号だけ持って現れ、『この番号に電話して身元引き受け人の元に連れて行ってください』と言ってきます。その番号に電話すると身元引き受け人がやって来ます」
「フェイクニュースメディアもこの企てを推進していますが、彼らはそれを小児性愛者とは呼びません。代わりに、『未成年に惹かれる人(MAP)』と呼びたがります」
「組織的な小児性愛者グループは『子供たちを性的に目覚めさせ、同意の権利を与え、教育から神を追い出す』といった綱領を提唱してきました。左派の『woke(ウォーク)』もそれらを実施しようとしています」
保護者や懸念を有する人々が現状に対する理解を深め、自分の愛する人を守るために何をすべきかを知る上で、この映画は助けになるとカヴィーゼル氏は述べている。
「この映画は、性目的の児童人身売買がどれほど日常的に起こっているかを明らかにした非常にパワフルな作品であると同時に、対抗手段でもあります。何が危険信号となるのかを知ることができるからです。親は子供を守らなくてはなりません。見て見ぬふりをしている場合ではありません」
「観賞後の感じは『パッション』や『シンドラーのリスト』とは異なるでしょう。『シンドラーのリスト』は50年遅かったと言えます。しかし、私たちはまさに今、この時期にこのことを行っています。これは邪悪に対する強大な対抗手段です」
「7月4日」という公開日に込めた想い
「サウンド・オブ・フリーダム」の劇場公開日は、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」やハリソン・フォード主演の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」、クリストファー・ノーラン監督の最新作「オッペンハイマー」といった大規模な予算を投じた作品と同じ7月4日だ。
しかし、カヴィーゼル氏は何としてもこの日の公開を望んだ。
「7月4日は本当に重要な日です。我々は独立記念日に子供たちの自由を取り戻すことができるのでしょうか?」
「米国人にとって今は非常に暗い時代です。私たちにもはや国家はありません。国境なくして主権国家はありえませんが、私たちにはもはや南部国境がないからです」
さらにカヴィーゼル氏は、今の米国社会では、文化の変革や、学校教育における性教育や人種教育の著しい左傾化、そして大企業が子供たちを性的に目覚めさせるようなプロモーションを公然と展開していることについて、多くの人々が不満を抱いていると指摘した。
「そして、どこからともなく現れるこの『サウンド・オブ・フリーダム』が光となります。この映画は、皆が思い描く米国を映し出しているのです」
「映画を見た多くの人が『正しいことをしたい』と思ったのではないでしょうか。まるでキリストの種を蒔く人のたとえのように、良い土地か悪い土地か、つまり善をなすか否かが、目の前に提示されるのです」とカヴィーゼルは語った。
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