7月4日の長期休暇中、ウォルト・ディズニー・ワールドの来場者数は「驚くほど少なかった」と、追跡データを提供するツーリング・プランズ(Touring Plans)社が報告している。同社は「woke(社会的正義に対して敏感な)アジェンダ」への保守派の激しい反発が続く中、この低入園者数の傾向は続く可能性が高いと予測している。
ディズニーは、幼稚園から高校3年生までの園児、学生に対する性的指向や性自認の議論を禁止する法案に反対したことから、フロリダ州のロン・デサンティス知事との法的、政治的闘争に巻き込まれている。
ディズニーワールドとディズニーランドのテーマパークの入園者数が減少するとの懸念から、最近、株価は格下げされた。
「これは普通ではない。夏のピーク時の混雑ではない。衝撃的な入場者数だ」と、ツーリング・プランズ社のベッキー・ガンディリオン氏はブログに書いている。
「完全に狂っている」
ツーリング・プランズ社は10点満点で観客動員数を計測している。最新のデータによると、6月27日から29日は、ディズニーのテーマパークで各日平均6点だった。続いて6月30日は5点、7月1日には2点まで落ち込み、7月2日には3点、7月3日には4点まで上昇した。
一部のテーマパークでは、平均よりも悪い数値が記録され、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのエプコット・テーマパークでは、7月1日に観客数混雑レベル1を記録した。
「私たちは、混雑レベルが8のパークと、わずか3日後に混雑レベルが1になったパークがあるのを見ている」とガンディリオン氏は語った
異常に暑い日が何日かあったため、地元の人々が家にいることを選んだ可能性が高い。
しかし、ツーリング・プランズ社は、ディズニーは今後もまばらな混雑が続くだろうと考えている。
「率直に言おう。もし、通常であれば観客数が増えると期待されるこの週末でも観客数が増えなかったのであれば、観客数は戻らないだろう。すべての兆候は、短期的にも長期的にもこの状態が続くことを示している」とガンディリオン氏は書いている。
ディズニーはエポックタイムズ紙からのコメント要請に答えていない。
反発による株価下落
ここ数週間、ディズニーの株価は成長鈍化の懸念から格下げされた。
投資会社キーバンク・キャピタル・マーケッツは最近、ディズニーの格付けをオーバーウェイトからセクターウェイトに引き下げた。
アナリストのブランドン・ニスペル氏は、「ディズニーは過去の平均と比較して割安に見えるが、多くの項目が解決に向かう目処が立つまでは、株価が上がる可能性は低いと考えている」と述べている。
7月10日現在、ディズニーの株価は約88ドル。ここ数か月、ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)が復帰した後も、同社の株価は2021年初頭のピークである1株あたり200ドルをはるかに下回っている。
ニスペル氏はディズニーが社会問題に踏み込んでいることについては言及しなかったが、トランスジェンダー問題やセクシュアリティについて教師が生徒に指導することを禁止するフロリダ州法に対する同社の姿勢を受け、一部の消費者や保守的なインフルエンサーはボイコットを呼びかけている。
ディズニー、論争に巻き込まる
ディズニーはフロリダ州の「親の教育権」法案の導入に反発し、論争に巻き込まれた。
フロリダ州議会は2022年3月、「親の教育権」法案(HB1557)を可決し、同年3月28日にデサンティス知事が署名した。
デサンティス氏が法案に署名した同日、ディズニーはこの法案を強く批判した。
「決して可決されるべきではなかったし、署名されるべきではなかった」
同社は「この法律が議会で廃止されるか、裁判で破棄されること」が会社の目標であると述べた。
この法律の支持者たちは、LGBTに関する話題をいつ、どのように子供たちに紹介するかを決める権限を親たちに与えるものだと主張している。また、この法案に定められた規則に違反した学校区を訴える機会も保護者に与えることになる。
この論争を受け、デサンティス知事は、ディズニー・ワールドが広大なフロリダ中央部のリゾートを単独で管理することを認める数十年にわたる協定を打ち切った。知事は、この措置はディズニーに責任を負わせることが目的だったと説明している。
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