イーロン・マスク氏とマーク・ザッカーバーグ氏の競争はさらに激化している。フェイスブックとインスタグラムの親会社であるメタ社が、ツイッターに対抗するプラットフォームの立ち上げを予告した。
アップルのアップストアに掲載された情報によると、「Threads(スレッズ)」と呼ばれるメタ社の短文投稿型SNSは、「インスタグラムのテキストベースの会話アプリ」とされている。
「Threadsは、コミュニティが集まって、今日の関心事から明日のトレンドまで、あらゆることを議論する場所です」とアプリの説明には書かれている。
しかし、メタの最高プロダクト責任者(CPO)であるクリス・コックス氏は、今月初めの全社会議で、このアプリはツイッターに直接対抗するSNSだと述べ、同社は「健全に運営され、信頼できる配信プラットフォームに関心を持つクリエイターや公的人物からの意見を聞いている」と付け加えた、とThe Vergeは報じている。
Threadという名前がツイッターの競合アプリであることが明確になる前の6月上旬に、ザッカーバーグ氏率いる会社がProject 92またはP92というコードネームでツイッターの対抗馬に取り組んでいるという報道があった。
マスクとザッカーバーグのケージファイト?
昨年10月にツイッターを買収したマスク氏は、P92出現のニュースに反応し、ザッカーバーグ氏に総合格闘技(MMA)のケージマッチを挑んだ。
試合日は未定だが、総合格闘技団体UFCのダナ・ホワイト会長はすでにマスク対ザッカーバーグの対戦を大々的に宣伝し始めている。
「昨晩、マークとイーロンの2人と話したんだが、2人ともこの件に関しては本当に真剣なんだ」「2人とも 『ああ、やるよ』と言っていた」と、ホワイト氏は6月22日のTMZとのインタビューで語っている。
ホワイト氏は、これは 「世界史上最大の格闘になるだろう」と予想している。
マスク氏は、UFCの名選手であるジョルジュ・サンピエールから総合格闘技(MMA)のトレーニングをしてほしいというオファーを受け入れ、Twitterの最高責任者はすでにこのカナダ人格闘家とのセッションを経験している。
「昨夜はイーロン・マスク、ジョルジュ・サンピエール、ジョン・ダナハーと素晴らしいトレーニングセッションをした。素晴らしかった」とポッドキャスターでブラジリアン柔術黒帯のレックス・フリードマン氏はツイートした。
マスク氏は「本当に楽しかった! 明らかな結論は、私にはもっとトレーニングが必要だということだ」と返信した。
ツイッターの混乱
Threadsの発表は、ツイッターがユーザーのツイート閲覧数に一時的な制限を課していることにも関連している。
マスク氏は1日、この動きは「極端な」レベルのシステム操作とデータスクレイピングに対応するものだと述べた。
当初マスク氏は、未認証の新規アカウントは1日あたり300件の投稿しか閲覧できないよう制限すると述べていたが、その後500件に引き上げた。
既存の未認証アカウント(青いチェックマークのないアカウント)は1日あたり1000投稿までに制限され、認証済みアカウントはその10倍の1万投稿までに制限されている。
マスク氏は以前、数百以上の組織がツイッターのデータを「極めて積極的に」スクレイピングしており、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)に悪影響を及ぼしていると述べた。
ツイッターの責任者(マスク氏)は以前、ChatGPTを所有するOpenAIのような人工知能企業が、大規模な言語モデルの訓練にツイッターのデータを使用していることに不快感を示していた。
イーロン・マスク氏、マイクロソフトを訴えると脅迫
4月、マスク氏は、OpenAIに数十億ドルを投資しているマイクロソフトがツイッターのデータをトレーニングに使用していると非難し、同社を訴えると脅した。
「彼らはツイッターのデータを使って違法にトレーニングした。訴訟の時だ」とマスク氏は4月19日にツイッターに書き込んだが、疑惑の詳細については明らかにしなかった。
マスク氏はマイクロソフトの「違法なトレーニング」疑惑について詳しく説明せず、トレーニングが何のために行われたのかも明言しなかったが、ChatGPTは人間のフィードバックからの強化学習(RLHF)と、人間の会話を含むインターネット上のさまざまなソースからの大量のテキストを使用してトレーニングされている。
マスク氏のツイートは、マイクロソフトが自社の広告プラットフォームの1つからツイッターを削除すると発表した直後のことだった。
これに先立ち、ツイッターの責任者は、アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏などの専門家や業界幹部を含む1100人以上の関係者とともに、すべての人工知能研究所に対し、ChatGPT-4より強力なシステムの訓練を少なくとも6か月間休止するよう求める公開書簡に署名した。
マスク氏は他の署名者たちとともに、AIが「社会と人類にもたらすリスク」に対する懸念を挙げている。
一方、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、AIの開発を一時停止する呼びかけは「課題を解決するわけではない」と述べ、一時停止をグローバルに実施するのは難しく、その理論的根拠も明確ではないと述べた。
ゲイツ氏は、AIのリスクに対処するためには、最も重大なリスクを特定し、それらを軽減する方法に取り組むという、より精緻なアプローチが必要であると提案した。
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