[26日 ロイター] – ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏は26日、武装蜂起後初めて沈黙を破り、政府を転覆させる意図はなかったとのコメントを発表した。一方バイデン米大統領は、蜂起に米国とその同盟国は関与していないと述べた。
プリゴジン氏はテレグラム上に投稿された11分間の音声メッセージで、「我々は抗議デモとして行ったのであって、ロシアの現体制と合法的に選出された政府を転覆させることが目的ではなかった」と表明した。また、進軍の目的はワグネルの破壊を回避し、ウクライナに対する「特別軍事作戦」で過ちを犯した者の責任を追及するためだったという認識を示した。
プリゴジン氏が最後に目撃されたのは、24日夜にスポーツ多目的車(SUV)でロシア南部ロストフナドヌーを後にする様子だった。
プリゴジン氏は自身の居場所や今後の計画については一切触れず、蜂起を停止させるきっかけとなったベラルーシ大統領の仲介による合意の詳細も明かさなかった。
<解決はしていない>
プリゴジン氏の武装蜂起は世界に衝撃を与えた。
ロシアの主要メディアは、プリゴジン氏の反乱について刑事事件として現在も捜査が続いていると報じた。
ロシアのミシュスチン首相は26日、国家が「安定への試練」に直面しているとし、プーチン大統領の下で結束を維持するよう呼びかけた。これは武装蜂起後、初の政府要人の公式発言となった。
ロシア大統領府(クレムリン)は26日、プーチン大統領が産業フォーラムの参加者をねぎらう様子を写した動画を公開した。撮影日は不明。
さらに、ロシア国防省は26日朝、ショイグ国防相が機上で西部軍管区の司令官から報告を受ける様子を写した動画を公開した。
プリゴジン氏の要求にはショイグ氏の解任が含まれていた。
<西側関与の可能性を調査>
ロシアの情報機関は、プリゴジン氏の武装蜂起に西側諸国の情報機関が関与していなかったか調査を進めている。タス通信が26日、ロシアのラブロフ外相の発言として報じた。
ウクライナも西側の情報機関も武装蜂起に関与していないという証拠はあるのかと問われたラブロフ氏は、直接の所管ではないとしながらも「違法行為の証拠収集を担当する部署はあり、彼らはすでにその点を理解していると断言できる」と述べた。
バイデン米大統領は26日、武装蜂起について初めて発言し、米国およびその同盟国は関与していないと言明。国家安全保障チームにロシア情勢を監視し、多岐にわたるシナリオに備えるよう指示したと明らかにし、ロシアで何が起ころうともウクライナを支援し続けると表明した。
さらに主要同盟国と行ったビデオ会議では、協調して対応する方針を確認し、プーチン大統領が今回の武装蜂起を「西側諸国や北大西洋条約機構(NATO)の責任とするような口実を与えないよう確実にする方針で同意を得た」と明らかにした。
ラブロフ氏もRTテレビとのインタビューで、リン・トレーシー駐ロシア米大使が25日にロシア側と協議し、米国は関与していないという「シグナルを発した」と述べた。
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