イーロン・マスク氏「子供達は大人からトランスジェンダーのプロパガンダを聞かされている」

2023/03/20
更新: 2023/03/20

今月16日、米テスラの創業者でツイッター社CEOのイーロン・マスク氏は、未成年者の性転換手術を許容するような考えを批判し、子供たちがプロパガンダを聞かされそのような重大な治療を受けるよう説得されているとした。

9日、ある動画がツイッター上に投稿された。ミネソタ州のペニー・フラナガン副知事(民主党)が、未成年者の性転換に関して「命を肯定し、命を救う医療である」と宣伝する動画だ。マスク氏はこの動画投稿に返信する形で、自身の見解を示した。

動画の中でフラナガン副知事は、「子供たちが自分が何者なのかを話してくれたら、耳を傾け、それを信じるのが大人としての私たちの仕事だ。それでこそ良い親だ」と述べている。

マスク氏はリプライの中でその判断に異議を唱えた。「子供達が大人からプロパガンダを聞かされている時は、そうではない。すべての子供は、人格/アイデンティティの形成前にアイデンティティクライシス(自己喪失)を経験する。したがって、少なくとも18歳になるまでは、彼らが後悔する可能性のある重大かつ元には戻せない手術や不妊治療薬を許可するべきではない」

フラナガン副知事のコメントは8日の記者会見時のもので、ミネソタ州のティム・ワルツ知事(民主党)が同州でジェンダー・アファメーション・ケア(性別違和を抱える子どもへのケア)を支持する行政令に署名した際のものだ。

この指令は、「ジェンダー・アファメーション・ヘルス・サービス」を提供、支援、依頼、取得する人々・団体を保護するために、州機関に対して連携を取るよう指示している。同サービスには、個人が自分の性自認を確認するために求める可能性のある、遠隔医療サービスを含む、すべての医療・外科・カウンセリング・紹介サービスが該当する。

また、この指令は、これらのサービスを求める個人に対する他州の法執行機関による捜査を、州が支援することを禁じている。さらに、ジェンダー・アファメーション・ケアに関する「不当な行為」や「欺瞞的行為」に対して調査し、行政措置を講じるよう州機関に指示している。

ミネソタ州のワルツ知事は声明で次のように述べている。「全米の州がジェンダー・アファメーション・ケアへのアクセスを禁止する動きを見せているなかで、ミネソタ州では、LGBTQの人々が引き続き安全で、保護され、歓迎されていることを知ってほしい。同州では、医療を求めたり提供したりすることで罰せられることはない。この行政令は、LGBTQの州民にふさわしい緊急措置を実現する」

ミネソタ州でこの行政令が署名された一方、全米では、性転換手術によって傷を負った未成年者が、手術にあたった医療従事者を医療過誤で訴えることを認める動きが見られた。

アーカンソー州では13日、サラ・ハッカビー・サンダース知事(共和党)がその趣旨の法律に署名し、18歳になってから15年以内であれば訴訟を起こすことができるようになった。

昨年、連邦上院ではトム・コットン上院議員が、連邦下院ではマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が同様の法案を提出したが、いずれも採決には至っていない。

また、元トランスジェンダーのクロエ・コールさんは、すでに法的措置を求めている当事者の1人だ。

コールさんは米医療保険大手のカイザー・パーマネンテを提訴した後、昨年11月にエポックタイムズに次のように語った。「子供だった私を世話し導くはずの大人がそれを怠ったのだから、彼らはその責任を取ることになるだろう。両親も私と同じように嘘を売り込まれた」

コールさんは、13歳のときに「思春期ブロッカー」の処方と異性間ホルモン治療を受け、15歳の時にカイザー・パーマネンテの医師による乳房切除術を受けた。18歳になった彼女は、最近「デトランス・ユナイテッド(Detrans United)」という団体を設立し、受けた手術を無効にしようとする、自分と同じ「デトランジショナー(性別移行をした後で元の性別に戻った人)」たちを支援している。

コールさんは昨年11月10日の声明で次のように述べている。「私の10代は、極度の苦痛と後悔、そしてなにより不正行為が頂点に達していた。おまけに、私の痛みは私一人の痛みではない。私は、自分のようなデトランジショナーの血と涙が無駄にならないよう見守っていくつもりだ。失ったものは取り戻せないが、子供たちが嘘つきや破壊者によって傷つけられることがないようにするつもりだ」

米国政治・時事を担当する記者