FBI、ニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署を捜査 

2023/01/16
更新: 2023/01/16

米連邦捜査局(FBI)が昨秋、ニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署を犯罪捜査の一環として家宅捜査し、資料を押収していたことがわかった。米ニューヨーク・タイムズ12日付が報じた。これまで各国の政府も自国内に設置されている海外警察署の調査をしてきが、FBIによる捜索は今回が初めて。

海外警察署の存在は、スペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が昨年9月に発表した報告書によって明らかになった。中国が世界各地に設置している警察署は異論を唱える人権活動家などの帰国を迫る拠点になっており、「中央統一戦線工作部」の活動とも関連しているとされる。日本では東京と名古屋に海外警察署が設けられている。

ニューヨーク・タイムズの報道によると、マンハッタンの中国海外警察署はチャイナタウンの6階建てのオフィスビル3階に入っており、中国の福建省福州市の公安部が設置している。ビルは福州の地区名を冠した「美国長楽公会」が所有し、ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏の政治キャンペーンに寄付をした人物が率いているという。同団体は3年連続で税金の申告を怠ったため、昨年5月に国税庁から非課税資格を取り消されている。

今回の捜査は、中国政府が米国内で反体制派や少数民族への越境弾圧に関与した人物に対して、司法省が相次いで提訴したのと時を同じくして行われた。2022年にかけて、連邦検察はこれらの犯罪行為に関与したとされる十数人を起訴している。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は昨年11月、上院の委員会で中国海外警察について「主権を侵害し、標準的な司法および法執行の協力プロセスを回避している」と強い懸念を示していた。

今回の報道を受けてウィル・ハード下院議員は「このような海外警察署の脅威は、情報収集にとどまらず、海外の反体制派を追跡し、嫌がらせをすることにまで及んでいる」とツイートした。

米国をはじめ国際関係担当。