「手を切り落とす」中国活動家を脅迫…米司法省、名門バークリー音大生を起訴

2022/12/16
更新: 2022/12/16

米司法省は14日、中国の民主化を支持した市民活動家に脅迫やストーカー行為を働いたとして、バークリー音楽大学に留学していた中国籍の呉暁雷(音訳:Wu Xiaolei)被告を起訴したと発表した。

起訴状によると、10月22日に「中国人と共に立ち上がれ、我々は自由・民主を望む」と書いたチラシをバークリー音楽大学のキャンパス内に掲示した市民活動家に対して、呉被告は「手を切り落とす」などの脅迫行為を行った。

さらに、ネット上で被害者のEメールアドレスを公開してオンライン上の嫌がらせを呼びかけたり、住所を特定して脅迫したりするよう第三者に訴えていた。中国国内の公安機関にも通報し、市民活動家の家族に圧力をかけるなどと脅していた。

米国連邦検事レイチェル・ロリンズ氏は「米国は言論の自由と政治的表現の権利を擁護する。呉被告は中国共産党に反対する意見を表明した活動家を黙らせ、脅迫した」と非難した。

今後、呉被告は最高5年の懲役刑を言い渡される可能性がある。

14日夜、バークリ音楽大学は声明を発表し、呉被告は停学処分となったことを明らかにした。司法省により説明された行動は「不穏なもの」とし、進行中の捜査に関してコメントしないと述べた。

11月から12月にかけて、国内外の中国人が中国の厳格な「ゼロコロナ政策」に対する抗議活動を行った。ペンシルベニア州立大学では学生が集まり、「自由が必要」「文革はもういらない、改革が必要」と書かれたポスターやスローガンを掲げたほか、カナダの大都市トロントでも数百人の抗議者が中国の強権体制に抗議する声を上げた。

近年、中国共産党は在外公館、華僑組織などを通じて国外の異見者に対する弾圧の手を広げている。以前、カリフォルニア大学バークレー校がダライ・ラマ14世を講演に招待したとき、複数の中国留学生団体が抗議運動を行った。このほか、欧米で行われた香港民主化支援デモの参加者に対しても、嫌がらせが起きている。

米ボイス・オブ・アメリカによれば、中国当局は在外華人や留学生の言論を監視し、中国国内にいる家族を脅迫してスパイ活動等に従事するよう強要している。

米国をはじめ国際関係担当。