カナダ、中国「海外警察」めぐり大使を繰り返し召喚…「さらなる措置も」

2022/12/03
更新: 2022/12/03

カナダ国際関係省のウェルドン・エップ氏は11月29日、中国共産党当局が非公式に設置している海外警察署をめぐり、中国大使を召喚して懸念を伝えていることを明らかにした。中国側が適切な対応を取らない場合、さらなる措置を講じる用意があると述べた。

エップ氏は、カナダ議会下院のカナダ・中国委員会で「中国大使を繰り返し呼び出し、深い懸念を伝えてきた」「中国政府に対し、カナダ国内でのウィーン条約に違反するいかなる活動も、責任を取り中止させるよう正式に要求している」と述べた。

さらにエップ氏は、今後カナダは「中国側の対応次第」で、さらなる対応を取る可能性があると付け加えた。

スペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が9月に発表した報告書によれば、中国が世界各地に設置している海外警察署は異論を唱える人権活動家などの帰国を迫る拠点になっており、「中央統一戦線工作部」の活動とも関連しているとされる。日本では東京都内に海外警察署が設けられていると指摘している。

いっぽう、中国側は国外在住の中国人にパスポートや免許証の更新といった行政手続きを提供していると主張する。ウィーン条約によれば、領事や行政手続きは大使館や領事館のみ認められている。このため海外警察署は、国家主権を侵害している可能性がある。

日本では自民党の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」が30日、海外警察署をめぐり、対処する方針を決めた。米連邦捜査局(FBI)のレイ長官も先月、中国政府が法的に認められない警察署をニューヨークなどに構えていることは「言語道断」と批判した。

米国をはじめ国際関係担当。