乾燥性湿疹は、乾燥性皮膚炎とも呼ばれ、冬によく見られます。気温が下がると皮脂の分泌量が減少するため、肌の水分が蒸発しやすくなります。そして、皮膚が乾燥し、かゆみ、炎症、皮むけ、かさつきなどの皮膚トラブルが発生するのです。
台湾の皮膚科医であるHu Yihsuan氏は、こうした乾燥性皮膚炎を防ぐには、まず肌の乾燥を予防することが大切だと言います。入浴法から食べ物、衣服、家庭環境など、冬のかゆみを予防する方法について教えてくれました。
入浴
入浴時に以下の点に気をつけると、乾燥肌が改善されます。
1. 刺激の少ない入浴剤を選ぶ
石鹸などのアルカリ性物質を含まない入浴剤を選ぶようにしましょう。
Hu氏によると、アルカリ性成分を含む入浴剤は、洗浄力が強く、乾燥肌の原因になりやすいといいます。そこで、シンプルな成分でマイルドな入浴剤がベストです。
2. 入浴時:お湯の温度は高すぎないこと
熱すぎるお湯は皮脂を洗い流しやすく、肌の水分を効果的に閉じ込めることができなくなります。
3. 入浴後:5分以内にボディローションをつける
入浴後5分以内は、「保湿のゴールデンタイム」と呼ばれています。体を拭いた後、なるべく早くボディローションをつけることで、高い保湿効果が得られます。
Hu氏は、乾燥によるかゆみを和らげるには、こまめにボディローションをつけることが一番効果的であるとしています。しかし、ステロイドの含有量が多いボディローションは皮膚を傷つけやすくなります。
では、ボディローションはどのように選べばいいでしょうか?肌pH値に近いボディローションのほか、植物ステロールやビタミンA、ビタミンEが豊富に含まれているボディローションを選ぶとよいでしょう。
衣服と家庭環境
肌がかぶれやすい人や弱い人は、肌着に綿100%のものを選ぶといいでしょう。冬は防寒着を着ることが多くなりますが、防寒着は化学繊維でできているため、アレルギー反応や静電気が起きやすく、肌トラブルの原因となります。
また、冬になるとファンヒーターを肌に直接当てる人もいますが、これは肌の乾燥とかゆみを引き起こす要因の一つです。加湿器を使って乾燥した環境を改善することも効果的です。
食事について
食事の面では、すでに皮膚炎がある場合は、辛いものや栄養価の高いものを過剰に摂取することは避けたほうがいいでしょう。栄養過多の場合、消化の過程で体に負担をかけてしまいます。例えば、皮膚炎が治りかけていた患者が、それらのものを食べることによって、症状が再発してしまうことがあります。
さらに、でんぷんを含む食品や、食後血糖値の上昇度を示す「グリセミック指数」の高い食品は、健康に悪く、皮膚炎を悪化させます。
Hu氏は、加熱処理をしていない生の野菜や果物などのローフードのほか、ビタミンAやビタミンEを多く含む食品を多く摂ることで、乾燥肌を防ぐことができると述べました。
(翻訳編集・徳山忠之助)
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