中国当局は2日、台湾の電子製品受託生産大手「フォックスコン(鴻海科技集団)」河南省鄭州iPhone組立工場の周辺地域に対し、9日まで7日間にわたる封鎖を命じた。同工場は米アップルの最新モデルiPhone14シリーズの生産量の約8割を担っており、アップルは同シリーズの生産が需要に追いついていないと明かしている。
封鎖区域内の60万人以上の住民は毎日、コロナ検査を求められる。当局は7日間の封鎖を発表しているが、他地域では長引くケースも多い。
ブルームバーグが国際的な調査会社カウンターポイント社のシニアアナリスト・Ivan Lam氏の話を引用して報じたところによると、今回封鎖された工場ではiPhone14シリーズの8割の生産を担っている。うちiPhone14 Pro(プロ)に至っては、産量の85%を同工場に依存しているという。
また、ロイターによると、工場の稼働率は現在70%程度であることがリサーチ会社TrendForceの調査で判明している。アップルは先日の決算説明会で、iPhone14 Proの生産が需要に追いついていないと明かした。
同施設は約30万人の従業員を抱える世界最大のiPhone組立工場で、先月上旬から感染拡大した。工場全体が外界から遮断される「バブル方式」と呼ばれるコロナ感染対策による管理下に置かれ、従業員は職場での集団隔離を余儀なくされた。
従業員らは、SNS上に食料や薬が十分に提供されていないと訴えている。先週末からは一部の労働者が封鎖を突破して脱出する事態まで起きている。脱出規模は数万人に達したとの情報もある。
現在、中国国内では50以上の都市で感染が再拡大しており、当局のコロナ対策に反発する抗議活動が相次いでいる。
(翻訳編集・李凌)
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