中国に関する最も差し迫った懸念事項として、過半数の米国人が中露連携を挙げていることが世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの調べでわかった。このほか、拡大が続く軍事力や威圧の強まる台湾問題が続いた。8月のペロシ米下院議員の訪台とその後の軍事演習が世論に影響したとみられる。
ピュー・リサーチは10月10日〜16日にかけて、米国人約5100人を対象に調査を行なった。その結果、中国に関する最も懸念する問題として、「中国とロシアの連携(57%)」と答えた割合が最も多く、次いで「中国の軍事力(50%)」、「中国と台湾の緊張関係(43%)」が挙げられた。習氏の3期続投について深刻な問題と受け止めている米国人は30%だった。
調査では3月以降、米国の対中課題に対する米国人の見方に、変化があったこともわかった。中国と台湾の緊張が「米国にとって非常に深刻な問題である」との回答が3月に比べて8ポイント増えた。報告書は、25年ぶりとなる現職の米下院議長の訪台が大きく影響したと分析する。
中国の軍事力を深刻な問題を受け止める米国人は3月から7ポイント増加した。ペロシ氏の訪台後の軍事演習に留まらず、中国は軍事力を拡大し、ソロモン諸島との安全保障条約の締結や南シナ海の人工島の建設など、太平洋での存在感を急速に高めている。
対中関係より台湾を優先する国民の姿勢も鮮明となった。「中国との二国間関係が悪化しても、ハイレベルの政治家の台湾訪問を続けるべきか」との質問に対しては、54%の米国人が「そうすべきだ」と回答。中国との関係を優先させるべきだと考える米国人は38%に留まった。
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