9月中旬にオンラインで開催され、今回が第一回となる日・比・米三国間防衛政策対話では、海上安全保障協力の強化、インド太平洋海域の航行の自由の保護、人道支援・災害対応の強化といった議題が中心に話し合われた。 アナリスト等の見解によると、東シナ海と南シナ海の安定に対する持続的な課題に対抗するには、三国間の防衛協力が重要だ。
「フィリピンと日本は共に米国の防衛同盟国であり、フィリピンと日本は戦略的パートナーだ」と、ハワイに拠点を置くシンクタンク、パシフィック・フォーラムの海事プログラムディレクターであり、東京国際大学の准教授であるジェフリー・オルダニエル氏はFORUMに語った。 同氏はさらに、「したがって、防衛協力は常に安全保障上の課題だ。 加えて、朝鮮半島と(台湾)海峡両岸の問題に対する危機管理計画は、これら三国の相互協力能力にかかっている」と述べた。
日本の防衛省のニュースリリースによると、日・比・米三国間防衛政策対話の各国代表団は、インド太平洋地域におけるルールに基づく秩序と航行の自由と領空通過が地域の平和と安定のために必要だと断定した。
オルダニエル氏は、こうした必要事項が中国の挑戦に直面していると述べた。 「東シナ海と南シナ海の現状を変えようとする中国の執拗な姿勢が、この地域のグローバルコモンズにおける国際法の適用性を弱めている」という。
同氏は、日本とフィリピンの防衛力を結びつけることで、3つのすべてのパートナー国を強化し、中国政府の挑戦に対するより効果的な防衛と抑止力が可能になると付け加えた。
マニラに拠点を置くシンクタンク、ファウンデーション・フォー・ザ・ナショナル・インタレストのフリオ・アマドールIII世会長はFORUMに対し、「フィリピンは依然として第一列島線の弱点であるが、重要な部分でもある」と述べた。 同氏はさらに、フィリピン軍の能力強化は、日本政府と米国政府にとって必然的な優先事項だと述べた。
米国海軍協会の評価によると、東アジア大陸沖にある群島、いわゆる第一列島線は、中国の侵略を抑制するのに最適な位置にある。
日・比・米三国間防衛政策対話の各国代表団は、海洋安全保障と海域認識、および情報共有などについても議論した。 アマドール氏は、違法・無報告・無規制漁業は海上安全保障にとって非従来型ではあるが大きな課題であり、中国関連の船舶が主な加害者だと述べている。
同氏はさらに、「日本はフィリピン沿岸警備隊の能力向上に大きく貢献してきた。そして、海域認識における米国の貢献も決して小さくない」と述べた。 「三国間協議をさらに行うことで、日本と米国はそれぞれの強みを生かしてフィリピンを支援し、重複を避けることが可能だ」という。
在フィリピン米国大使館が報告したところによると、マニラの海上法執行能力を高めるため、4月に米国沿岸警備隊の教官と海上保安庁の機動協力隊がフィリピン沿岸警備隊と共に船舶乗船訓練を実施した。
オルダニエル氏は、最近の台風、地震、火山噴火などの自然災害によって大きな被害が続いていることからも、人道支援・災害救援活動もまた、日本とフィリピンにとって優先事項だとした上で、
「フィリピンは、災害時の日本の援助だけでなく、自然災害の適応と緩和、および早期警戒システムなどの関連メカニズムに関する日本の経験からも得られるものが数多くある」と述べ、 「米国も明らかに災害時に頼りになる可能性の高い同盟国だ」と語った。
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