9月の演習、日露両国が領有権を主張する島々の要塞化、度重なる日本の領空侵犯など、日本付近でのロシアの軍事行動の増加は、特にロシアのウクライナ侵攻を踏まえると、日本政府がロシアを「侵略国」に指定するだけの十分な根拠となっているとアナリストは述べている。
ランド研究所のジェフリー・ホーナング防衛アナリストはFORUMに対して、「20~30年くらい前、ロシアは歴史的に日本の主要な安全保障上の課題だった」と述べた。 最近の日本政府の防衛の焦点は、日本の領土を主張する軍事的支配者として台頭する中国にますます向けられてきたものの、ロシアがもたらす危険性は依然として存在すると、同氏は付け加えた。
日本の防衛省は7月に発表した最新の白書でロシアを侵略国に指定し、同月に報告書「日本周辺におけるロシア軍の展開」を発表した。 この報告書によると、日本の領土上空やその付近を飛行するロシアの戦略爆撃機やその他の航空機に対応するため、航空自衛隊は過去5年間で毎年300回以上戦闘機をスクランブル発進させていたことが明らかになった。
報告書は主な要因として、1945年以降ロシアまたはその前身国家であるソビエト連邦によって占領された56の島を挙げている。 ロシアではクリル列島と呼ばれるこの群島は、日本の北海道とロシアのカムチャツカ半島の間に広がっている。 日本は最南端の4つの島を北方領土として領土権を主張している。 報告書によると、ロシアは2011年以来、日本が領有権を主張する島のうち2島を軍事化しており、戦車、長距離地対空ミサイル、ロケットランチャー、ヘリコプターなどの軍事アセットとともに、約3,500人の兵士が駐留している。
防衛省の報告書はさらに、ロシアが2018年から日本付近での軍事演習を強化していると述べている。 複数の報道によると、2022年9月初旬に実施されたモスクワの多国間軍事演習「ボストーク(Vostok)」では、最大5万人の兵士、140機の航空機、60隻の軍艦が参加した。 演習は両国が領有権を主張する2島で行われ、ロシア海軍と中国海軍による日本海での演習も含まれた。
ロイター通信が報じたところによると、2022年2月のウクライナ侵攻から1か月後、ロシアは係争中の島で一方的な軍事演習を実施した。日本政府は国連でロシアのウクライナ侵攻を非難している。 ロシア軍は、軍用輸送機の撃墜、対戦車誘導ミサイルシステムの試験など、島への攻撃を撃退するための訓練を行った。
ホーナング氏は、「日米両国は常にこのような演習で想定されるターゲットは日本だけだと考えてきた」とした上で、 「したがって、日本は常に懸念を抱いてきた」と述べた。
ホーナング氏は、戦闘機のスクランブルに加えて、日本はロシアの活動に応えて海軍アセットを準備していると述べた。 一方で、ウクライナ侵攻以降、緊密になってきた日本と米国の軍事同盟は、ロシアの侵略に対する最善の防衛と抑止力であると付け加えた。
日本の防衛白書はまた、日本政府が「武力による現状の変化を抑止し、ロシアのウクライナ侵攻時に見られる情報戦とサイバー戦を含む現代の戦争に十分に備える」ための先制戦略を採用していることを指摘した。
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