中国、米国在住中国系漫画家の作品を禁止 法輪功映画を製作

2022/08/31
更新: 2022/09/01

湖北省武漢市など複数の地方教育当局はこのほど、米国在住中国出身の漫画家、大雄(本名・郭競雄)が手がけた出版物を禁書に指定した。大雄は2019年の香港デモに使用されたポスター「香港加油(頑張れ)」などを製作し、脚光を浴びた。

リストアップされた問題ある書物に、大雄が出版に関わった数十冊が含まれている。

大雄は「中国のアニメ王」として知られている。06年、台湾武俠小説を代表する作家、金庸との共同作品が、仏アングレーム国際マンガフェスティバルで最優秀賞を獲得、中国人初の受賞者となった。

渡米するまで、漫画家として活動しながら、出版社にも勤務していた。

当時手がけた図書の多くは、老子や孔子など中国の伝統思想文化に関するものだという。

08年に渡米後、漫画界で活躍し、数々の賞を受賞した。19年、香港で民主化を求める大規模なデモが勃発し、最多200万人が参加した。市民の熱い思いに触発され、「香港頑張れ」「香港踏ん張れ」のポスターを製作した。

米国在住の中国出身漫画家・大雄が2019年の香港デモのために製作したポスター「洗脳を拒絶」(本人Facebook)

法輪功の反迫害活動にも参加

「中国共産党は私の本ではなく、法輪功学習者である私を検閲の対象にしたいだけだ」と同氏は大紀元に述べた。

最近、中国政府による法輪功学習者への迫害を暴くアニメーション・ドキュメンタリー映画『長春』(英語タイトルEternal Spring: The Heist Of China’s Airwaves)で美術を担当した。

「法輪功は中国共産党政権にとって最も敏感な問題である」と述べ、禁書措置は自身の法輪功活動が関係しているとの考えを示した。

法輪功(ファルンゴン)は法輪大法(ファルンダーファ)とも呼ばれ、「真・善・忍」の理念に基づく心身修養功法である。中国の江沢民元国家主席は国内での法輪功学習者の急増が共産党政権への脅威だと一方的に決め付け、1999年7月20日に弾圧を始めた。

カナダの連邦公共事業体、テレフィルム・カナダ(Telefilm Canada)は24日、『長春』を第95回米国アカデミー賞の国際長編映画賞に出品する作品として選んだ。

02年、長春市で十数人の法輪功学習者が地元テレビ局の電波を50分間ジャックし、法輪功学習者が受けた迫害を暴露する番組を放送した。『長春』は、この実話に基づく作品だ。

事件後、法輪功学習者5000人以上が拘束された。電波ジャックを計画した学習者のうち、少なくとも7人が拷問で死亡した。約15人は4〜20年の懲役刑を言い渡された後、獄中で亡くなった。

大雄のほか、著名な歴史学者の易中天と台湾人作家の龍応台のすべての著書も禁書にされた。

張哲
張哲