世界最「細」の超高層ビル 「111 West 57th Street」スタインウェイ・タワー

2022/06/18
更新: 2022/06/19

建築事務所SHoP Architectsは、ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパーク近くに位置する超高層ビル「111 West 57th Street」の竣工を発表しました。 「世界最狭の超高層ビル」は、マンハッタンの有名なスカイラインの新たなランドマークとなっています。

111 West 57th Street、通称スタインウェイ・タワーは、基礎部分の幅はわずか18.5メートルですが、高さは435メートルあり、幅と高さの比率は約1:24となります。

受賞歴のある建築事務所SHoP Architectsが設計し、JDS Development Group、Property Markets Group、Spruce Capital Partnersが開発を担当、2014年に着工し、2021年の完成を目指して2019年4月に上棟予定です。 内装はスタジオ・ソフィールドの特注品です。

スタインウェイビルは、かつてのランドマークである16階建てのスタインウェイホールと、新たに建設された84階建ての住宅棟で構成されています。 スタインウェイ・ホール内に14棟、新館に46棟の計60棟の高級フラットがあります。

建物のデザインは羽をイメージしており、タワーのレベルが上がるにつれて、その形はどんどん縮小され、「空に消えていく」ような印象を与えます。

最近公開されたビルの写真では、光沢のある波状のテラコッタタイルと合金色のなめらかな金属トリムを持つスタンウェイビルの細長いフォルムが、青空に浮かび上がっているのがわかります。

このような細長い建物をつくるために、鉄筋コンクリートのせん断壁を多用して構造の安定性を確保し、建物の南北にはガラスと銅合金を多用して、南北からのフラット内部の採光を確保しました。

建物の東西両エレベーションは、ブロンズフィリグリーの入ったテラコッタで覆われ、スタインウェイホールや周辺の建物と調和した街並みを形成しています。

▶動画はこちら

このプロジェクトでは、約43,000個のテラコッタのモノリスが使用され、23通りの組み合わせで立体的な形が作られました。 これらの要素がファサード上で相互に作用することで、独特のモアレフリンジが生まれ、光や角度を変えて見ると、光や立体感が劇的に変化し、非常に直線的な美しさが表現されます。

建築家たちは、スタインウェイビルのコンセプトは、ニューヨークのスカイラインを大胆に解釈し、この地域の歴史的なルーツを新たに表現することだと語っています。

セントラルパークとニューヨークのスカイラインを望むスタインウェイビルは、ワンルーム775万ドルからペントハウス6600万ドルまでのプレミアム価格で取引されています。

 

(翻訳・井田千景)

張雨霏