中国・河北省唐山市で10日、飲食店で食事中の女性客らが複数の見ず知らずの男に集団暴行され、4人が重軽傷を負った。何の落ち度もない女性が凄惨なリンチを受ける映像がネットで1億2000回も再生され、ユーザーらは怒りを爆発させた。
事件に関わった男9人は警察に逮捕されている。
映像によると、10日深夜2時頃、焼肉店に入った大柄な男は一人の女性に近寄り、背中を触りながら話しかけた。女性に押し返された男は逆上し、すぐさま女性に暴行を加えた。
その後、仲間とみられる男らも店に入り、女性を助けようとしていた別の女性2人にも殴りかかった。
男らは女性の髪を掴み、そのまま店外へ引きずり出して、集団で暴行を続けた。女性が酒瓶で頭を殴られたり、突き飛ばされて階段に頭を打ち付ける様子も映像から確認できる。
唐山市当局によると、負傷した女性4人のうち、2人は重傷で入院し、2人は軽傷を負っているという。
有名芸能人らは相次ぎSNS上に投稿し、「人でなし」「恐ろしすぎる」「一生牢屋にぶっ込みたい」などと強い言葉で事件を非難した。
歪められた報道
事件は複数の官製メディアが取り上げたが、なかでも「中国共産主義青年団北京市委員会」の機関紙の報道が物議を醸している。
報道は、女性を誘い、背中を触るなどの性的嫌がらせを働いた男性の行為を「話し合い」と表現。また、女性が反抗したことを「両者のもみ合い」と記述した。
さらに、男9人が女性2人に集団暴行し、地面にうずくまる女性を殴り、蹴り続けるのを「店外から男性数人が駆けつけ、女性との戦いに加わった」などと表現した。
このどちらが暴徒かがわからない記述について、仏RFI(仏公共放送、ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は「独自の慧眼を持っている」と皮肉った。
事件後、ネット世論誘導の役割を担っている「網軍」が出動し、「唐山の事件は偶発的なものだ」などと投稿した。
(翻訳編集・李凌)
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