ウクライナへの大規模サイバー攻撃、背後にロシア=西側当局

2022/05/11
更新: 2022/05/11

[ワシントン 10日 ロイター]- – 米国や欧州連合(EU)、英国、カナダは10日、ウクライナ戦争勃発時に衛星インターネットの数千台のモデムを使用不能にした大規模なサイバー攻撃の背後にロシアがいたと発表した。

ブリンケン米国務長官はロシアが2月終盤、商業用衛生通信ネットワークにサイバー攻撃を仕掛け、ウクライナ侵攻中にウクライナ軍の通信や指揮を混乱させたと非難した。他の欧州諸国にも波及効果が広がったとも指摘した。

さらに、米国は同盟国やパートナー国はロシアの行動を防御する措置を講じていると明らかにした。

欧州理事会も声明で、米通信会社ビアサットのKA-SATネットワークに対する2月下旬のサイバー攻撃はロシア軍によるウクライナ侵攻の際に起き、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻を助けたと言及した。

声明は「このサイバー攻撃の影響は著しく、ウクライナの公共機関や企業、利用者に無差別の通信停止と混乱を引き起こし、いくつかのEU加盟国にも影響した」と言及した。

トラス英外相は、このサイバー攻撃は「ロシアによるウクライナに対する意図的で悪質な攻撃だ」と批判。英国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)の声明を引用し、ロシアの第一の攻撃目標はウクライナ軍だったが、風力発電所や欧のインターネット利用者も妨害したとも訴えた。英外務省は、ロシアがサイバー攻撃の背後にいることを示唆する「英米の新しい機密情報」があるとしたが、詳細は明らかにしなかった。

ウクライナでサイバーセキュリティーを担うビクトール・ゾラ国家特殊通信・情報保護局副責任者は3月、この遠隔妨害行為により「戦争開始直後の通信に甚大な損失が生じた」と述べた。

カナダ政府当局者は、サイバー攻撃の脅威に関する情報をウクライナと共有しているとし、「ロシアの挑発的かつ不当な侵攻に対するウクライナの防衛能力強化に向け」支援を提供していると述べた。

ロシアはサイバー攻撃を否定し続けている。ロシア大統領府はコメント要請に直ちに応じなかった。

Reuters