マーベル最新作、中国で公開禁止に 「大紀元」のシーンが問題か

2022/05/03
更新: 2022/05/06

複数の海外メディアによると、中国のファンが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(5月6日全米公開)を中国国内で鑑賞できない可能性がある。同映画の予告編の中に「大紀元時報」の新聞ボックスを映したシーンがあることが一因だとみられる。

4月29日に公開された予告編では、英国人俳優のベネディクト・カンバーバッチが演じる主人公のドクター・ストレンジが、敵であるガルガントス(Gargantos)とニューヨーク市街で戦うシーンに、道路脇に置かれている大紀元時報の新聞ボックスが映っている。

マーベル最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』予告編のワンシーン(PHOTO: SCREENGRAB FROM MARVEL ENTERTAINMENT/YOUTUBE)

カナダメディア「コミック・ブック・リソーシズ(CBR)」は、中国政府がこのマーベル最新作の公開を禁止したと報じた。中国側は理由を明らかにしなかったという。

CBRは、大紀元時報の新聞ボックスが映り込んでいることと、中国政府のエンターテインメント業界への締め付け強化が背景にあると分析した。

米メディア「デッドライン(Deadline)」2日付は、中国検閲当局は『ドクター・ストレンジ』シリーズ最新作を審査しており、公開の可否をまだ決定していないと報じた。

大紀元時報は米国の各都市に新聞ボックスを設置している。華僑が集中する地区では特に多い。2日、ニューヨーク市マンハッタンのチャイナタウンにある44個の新聞ボックスのうち、28個が何者かに落書きされていたため、大紀元時報は市警察に通報した。

大紀元時報の黄万青副編集長は、落書きはマーベル最新映画と関係すると推測し、「中国共産党政権が同政権の抑圧とウソを暴く大紀元時報を恐れていることを反映した」と述べた。

張哲
張哲