米中の国連大使、SNSで応酬 ウイグル問題めぐって

2022/04/23
更新: 2024/04/22

米国の国連大使は20日、ツイッターを更新し、中国当局に拘束された新疆ウイグル人の女性医師の釈放を求める内容を投稿した。これに中国の国連大使は女性医師がテロリストと反発し、両大使は応酬を繰り広げた。

リンダ・トーマス=グリーンフィールド米国連大使は投稿で、中国当局に不当逮捕されたウイグル族の医師、グルシャン・アバス氏の「安全と解放を求め続けていく。そしてウイグル人や他の民族・宗教団体に対する中国当局の残虐行為をも糾弾する」と述べた。

アバス氏は2019年3月、中国当局からテロ活動に関する罪で懲役20年の判決を受けた。消息不明になった彼女を探し続けた家族が判決を知ったのは2年後だった。

国連中国政府代表部は投稿にすぐ反応した。「アバスはテロ組織に参加し、テロ活動を幇助した罪で有罪判決を受けた」として、グリーンフィールド米大使の主張は法律の常識に欠けていると批判した。

それに対し、アバス氏の妹のルシャン・アバスさんは即座に「中国側の主張こそ、完全にウソである」と反論した。「当初、中国当局は姉の存在そのものを否定し、私が他人の写真を盗用して事実を捏造したと主張した。しかし後になって、姉にテロという濡れ衣を着せた」という。

ルシャンさんは証拠として、中国共産党官製メディア「環球時報」の関連記事のスクリーンショットを投稿した。同記事は、ルシャンさんが別のウイグル人の写真と名前を盗用して、新疆在住の姉が当局に強制連行されたという作り話をしたという内容だった。

両国大使の舌戦は5月に予定されている国連人権高等弁務官の訪中にも及んだ。

国連の人権担当トップであるミシェル・バチェレ氏が、5月に17年ぶりに中国を訪問する。

グリーンフィールド米大使はツイートで、「高等弁務官が中国を訪問する際には、妨げられることなく、自由に行動できるようにしなければならない」と中国をけん制した。

中国大使はこれに対し、国連人権高等弁務官の新疆訪問を歓迎すると述べ、米大使の発言は「訪問を妨害するために障害を設ける米国の意図を明らかにした」と非難した。

バチェレ氏はこれまで多くの国の人権抑圧には声高に批判してきたが、新疆の人権問題に関する国連報告書の公開は拒否している。人権団体や各国政府は同氏の対中姿勢に懸念を抱いている。

グリーンフィールド米大使は21日のツイートで、21年9月に完成した同報告書の公開を国連に求めた。

 

(翻訳編集・叶子静)

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