「鍋叩いて」都市封鎖に抗議の市民を逮捕、ネットユーザーらが声援=中国・長春市

2022/04/15
更新: 2022/04/15

中国吉林省長春市でこのほど、当局の閉鎖措置による物資不足などを訴えた女性市民が地元警察に拘束された。ネット上では、この女性を応援する声が広がっている。

中国メディアによると、逮捕されたのは長春市に住む43才の女性。当局は「生活物資が十分にある状況下」で、居住するコミュニティ(団地)のSNSのグループチャットで「鍋叩き作戦」の決行を煽り、「意図的に政府に圧力をかけた」。そのため、地元警察から7日間の行政拘留と300元(約5800円)の罰金などの処罰を受けたという。

中国では、都市封鎖され食糧不足などの困難に直面した住民はいつも、鍋を叩いて政府に抗議している。

女性の住むコミュニティはすでに30日以上も閉鎖されているという。

中国のネット上では女性を応援する声が多くみられた。人々は「生活物資が十分にある」という当局の主張に疑問を呈した。

「鍋を叩くことが犯罪だと、どの法律で決めているのか?」

「生活物資が十分にあるなら、まともな人であれば、誰がそんな事をする?誰が嘘をついているのかは明確だ」などと、ネットユーザーは憤慨のコメントを書き残した。

中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大で都市封鎖が1カ月以上続いている長春市では、当局の管理の混乱や各種物資の供給不足などで、市民が不満を爆発させている。

封鎖期間中、「吉林で食材の入手が困難」のトピックスが検索上位を占めた。

各地の防疫状況を視察・監督する孫春蘭副首相が3月末、吉林省吉林市の住宅地を視察した際、市民らは「もう食べる物がない」と叫んで不満をあらわにした。

6日夜にも、長春市寬城区の住民らが窓を開けて、たらいや鍋などを叩きながら大声で「助けください!」などと窮状を訴える声が町中に響いていた。

市民らは「食料」を要求すると同時に、地域管理責任者の不作為や感染者数の過少申告などを非難した。

中国当局によると、13日の全国の新規感染者は2万7920人。吉林省は今回の波で確認された累計感染者は6万以上で、主に吉林市と長春市に集中している。ただ、中国政府は日常的に事実を隠蔽しているため、実際の感染者数はもっと多いとみられる。

(翻訳編集・李凌)

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