ロイター通信によると、中国の規制当局はこのほど米国株市場に上場している一部の中国企業に対して、米側が求める2021年会計年度の監査資料を準備するよう指示した。
報道は複数の関係者の話として、中国の証券監督管理委員会(証監会)などの規制当局は3月初め、アリババや百度、京東集団を含む複数のIT大手の幹部を呼び出し、米規制当局に協力するよう指導したと伝えた。
今月初め、米国の規制当局である証券取引委員会(SEC)は、外国企業説明責任法(HFCAA)に基づき、中国企業5社が上場廃止に直面していると発表した。この発表で米市場では中国株の売り注文が急増した。
証監会は米国人投資家の不安心理を和らげるため、すでに米国の規制当局との間で情報開示について協議し、「積極的な進展を遂げた」という。
中国政府はこれまで国家安全保障に関わるとして、中国企業が米当局に帳簿などの情報を開示しないことを要求する。
2020年に成立したHFCAAは、米株市場に上場する外国企業に関して、外国企業の支配下にないことを立証する義務を科したと同時に、米国公開会社会計監督委員会(PCAOB)が監査を実施できない状況が3年連続で続いた場合、証券の売買を禁止すると定める。
HFCAAの下で上場廃止となれば、中国企業にとって最も重要な資金調達先である米国の資本市場を失うことになる。
ロイター通信は、中国側は国内企業の米上場維持に向けた取り組みを強化しているとの見方を示した。
(翻訳編集・張哲)
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