中国共産党による人権侵害に声を上げてきた元米プロバスケットボール(NBA)選手のエネス・カンター・フリーダム氏は「後悔していない」と述べた。同氏は今月トレード先のヒューストン・ロケッツから解雇されており、中国共産党による影響を受けた可能性が高い。
カンター氏は17日、米国政府に政策を提言する専門家組織「現在の危機に関する委員会:中国(Committee on the Present Danger: China)」主催の授賞式に出席した。NBAでは「社会正義や世界中で起きている数々の不公平について発信できる」はずが中国の人権問題は例外で、逆に報いを受けることになると述べた。同氏は2022年のノーベル平和賞候補に推薦されている。
カンター氏はSNSやインタビューを通して中国共産党の非人道性を積極的に訴え続けてきた。NBAの試合では「フリーチベット(Free Tibet)」「中国での臓器狩りを停止せよ(Stop Organ Harvesting in China)」といったスローガンをバスケットボールシューズに描いて注目を集めた。
同氏は10日、ボストン・セルティックスからヒューストン・ロケッツにトレードされた直後、解雇されている。
授賞式では、中国共産党の残虐な弾圧行為を知ったきっかけについても触れた。慈善活動として子供たちにバスケットボールを教えていた時、ある女性が「イスラム教徒の兄弟姉妹が強制収容所で毎日のように拷問やレイプを受けている」と訴えかけてきたという。衝撃を受けたカンター氏は当日、ホテルに戻って「中国で何が起こっているのか調べ始めた」と語った。
中国本土ではチベット人やウイグル人、少数民族が恣意的に拘束され、不妊手術や強制労働が行われている。中国共産党政権は20年以上にわたり、法輪功学習者に対しても大規模な弾圧を行ってきた。2019年にイギリスで開かれた「民衆法廷」は、中国共産党による臓器狩りの「主な犠牲者は法輪功学習者」と結論を下した。
カンター氏はセルティックスに所属していた際、巨大な中国市場でビジネスを展開するNBAから口をつぐむよう警告されたこともあった。現在置かれている状況について「後悔していない。道徳や原則、価値観などお金やビジネスよりも大切なものがある」と述べ、今後も中国共産党による悪行を発信し続けると語った。
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