元NBAエネス・カンター氏 2022年ノーベル平和賞候補にノミネート

2022/02/21
更新: 2022/02/21

中国共産党によるウイグル人やチベット人などへの人権問題に声を上げてきた元米プロバスケットボール(NBA)選手のエネス・カンター・フリーダム氏が2022年のノーベル平和賞候補に推薦された。

米月刊誌「アトランティック」16日付によると、カンター氏はノルウェーの国会議員によって推薦された。30人のノーベル賞受賞者からも支持を得ている。

カンター氏はツイッターで「ノーベル平和賞の候補になったことを光栄に思う。時には、給料よりも身を挺して行動することの方が大切なこともある」と投稿した。

カンター氏はSNSやインタビューを通して中国共産党の非人道性を積極的に訴え続けてきた。共産党政権に虐げられているウイグル人やチベット人、台湾などの民主派を支持するメッセージや、強制労働を弾糾する内容をバスケットボールシューズに描いて注目を集めた。

中国共産党による「良心の囚人」への臓器収奪にも言及した。「中国(共産党)は強制的な臓器摘出を行なっている。民族、宗教団体、チベット、ウイグル、キリスト教徒、法輪功などが狙われている」とツイッターやフェイスブックに投稿。「臓器を目的とした殺人を直ちに停止して。人類に対する犯罪だ」と訴えた。

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カンター選手はスイス生まれのトルコ系。2009年に10代で渡米した。2021年には政治犯として当時投獄され7年以上会えていない父親に「遠く離れていても、父の教え通り正義のために戦い続ける」とツイッターに投稿。父親の存在が信念を貫く強さの原動力になっていると語った。

リック・スコット上院議員17日、エネス氏を「人権と自由のために戦う勇敢な戦士」と称賛し「ノーベル賞候補の推薦を知り、これほど誇りに思うことはない」と心境を綴った。

カンター氏は経済的な報復を恐れて中国共産党の人権侵害を黙認しているスポーツ選手や業界に対しても「中国でのジェノサイド」に立ち向かうべきだと呼びかけていた。「世界中の人権侵害に対する認識を高める」というカンター氏の活動を支援できることを誇りに思うとデビッド・バラダオ議員は語った。

カンター氏は10日、ボストン・セルティックスからヒューストン・ロケッツにトレードされた4日後、解雇された。中国共産党からの影響を受けたのではないかといった憶測を呼んでいる。

米国をはじめ国際関係担当。
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