6日に行われた北京冬季オリンピックのフィギュアスケート団体戦の女子シングル・ショートプログラム(SP)で中国代表の朱易(ジュ・イー)選手(19)は序盤から失敗が続き、最下位となった。米ロサンゼルス在住の同選手は、中国のSNSで激しい非難の的になった。
中国系移民の家庭に生まれた朱選手は、2018年に中国代表としてスケート競技に出場することを決めた。米国籍を放棄し、名前をビバリー・ジュ(Beverly Zhu)から朱易(ジュ・イー)へと改名した。
中国版ツイッターのウェイボー(微博)で、「朱易の転倒」のハッシュタグが付いた投稿はわずか数時間で2億回閲覧された。
「恥さらし」「中国語も流暢に話せないくせに」などの批判が殺到した。
このハッシュタグは6日午後には検索結果が表示されなくなった。当局による検閲の対象になったとみられる。
ネットユーザーは中国生まれの選手が落とされ、米国生まれの朱選手が選ばれたことに疑問を呈している。
朱選手の父親はカリフォルニア大学ロサンゼルス校に勤務する人工知能科学者だ。20年、北京大学に転職した。
同選手が五輪に選ばれたのは父親のおかげだとの批判が出ている。
CNNは、朱選手に対する中国のSNS上の攻撃は、中国のために帰化したアスリートが直面する圧力を浮き彫りにしていると指摘。
冬季五輪のメダル獲得数を増やすため、中国は近年、少なくとも10人の外国生まれの選手を採用した。
転倒した朱選手は試合後のインタビューで「大きなプレッシャーを感じていた」と涙ながらに語った。
「中国のみなさんは私が選ばれたことに驚いている」と話し、「自分の実力を見せたかったのに、残念ながらそれができなかった」と述べた。
同選手の失敗の影響で、中国チームは3位から5位にランクダウンしたものの、決勝進出を果たした。
(翻訳編集・李凌)
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