北京冬季五輪が開幕する4日、チベットやウイグル、モンゴルなどの少数民族団体や人権団体の代表者らは共同声明を発表し、抗議のデモ行進を行った。2008年の北京五輪の際に中国共産党政権が人権を保障すると約束したにも関わらず反故にしたことを挙げ、五輪が国威発揚に利用されかねないと警鐘を鳴らした。
共同声明は、五輪憲章では「人権の尊厳を保つ」ことが掲げられているが、中国共産党政権はいまだ人道犯罪を続けていると指摘。ウイグル人の大規模な強制収容、チベット仏教の仏像や寺院の破壊、法輪功修煉者に対する弾圧の状況は一向に改善されていないことなどを挙げた。
人権団体は中国共産党政権に対し、人権弾圧の即時停止や信仰・言論を保護することを保障するよう求めた。国際調査団体の受け入れを許可すること、冬季五輪に参加する選手が人権問題に声を上げることを妨げないよう要請した。
活動に参加した長尾敬前衆議院議員は「中国共産党の人権侵害等々、力による変更」がいまだ続いていると指摘、「五輪を実施できる資格はないということはおそらく全世界が認めているところと思う」と批判した。そして「このような状態で北京五輪を開催することに疑問を呈し、反対を示した立場の一人としては、非常に忸怩たる想いだ」と述べた。
いっぽう、出場する選手に対しては「北京五輪に向けて最高のパフォーマンスを出し切ることができるように色々な調整をされた選手の皆さんには全力で戦っていただきたい」と激励した。
日中国交正常化50周年を迎えるにあたり、日本政府は中国共産党政権の「友好や親善」といった言葉に惑わせられることなく、実際の人権状況を注視して対処するよう共同声明は訴えている。
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