北京冬季五輪「すべての人権抗議活動の放映を」米議員らNBCに要請 

2022/01/31
更新: 2024/04/22

米下院外交委員会のアン・ワグナー副委員長らは14日、2月4日に開幕する北京冬季五輪期間中の人権抗議活動をすべて放映するよう米国向け放送権を持つ米NBCユニバーサルに求めた。中国共産党によるウイグル人や法輪功学習者などへの迫害に国際社会が共に立ち上がるべきだと公開書簡で訴えた。

ワグナー氏と他29名の議員らはNBCのジェフ・シェル最高経営責任者(CEO)宛の書簡で、中国共産党は「プロパガンダを広めるプラットフォームとして使い、ウイグル人に対する大量虐殺など深刻な人権侵害から目を逸らそうとしている」と五輪の政治利用に警鐘を鳴らした。また、NBCに対して五輪取材中に撮影した抗議活動をすべて放送するよう求めた。

中国共産党の圧力に屈せず、誠実で透明性のある報道をすることで「国際社会がウイグル人やチベット人、香港人、法輪功学習者、キリスト教徒、人権擁護者など迫害されているグループを支えることにつながる」と記した。

さらに、中国共産党はこれまでにも五輪を利用して体裁を繕ってきたと指摘。2008年の北京夏季五輪では「表現の自由への深刻な侵害や恣意的な拘束、ジャーナリストへの嫌がらせなどを行い、人権侵害に拍車をかけた」と非難した。

カナダの著名な人権派弁護士であるデービッド・マタス氏らが政策シンクタンク「マクドナルド・ローリエ研究所」に発表した論文によると、前回の北京五輪前には8000人以上の法輪功学習者が拘束され、少なくとも100人が拘束中の虐待により死亡したという。

書簡は、中国共産党の元高官から性的暴行を受けたと告発した中国のテニス選手彭帥さんが数週間にわたって公の場から姿を消した事件や、新疆ウイグル自治区で180万人ともいわれるウイグル人が中国共産党によって恣意的に拘束されていることについても言及した。「国際メディアは中国共産党による人権侵害に光を当てる責任がある」と語気を強めた。

昨年6月には、中国共産党による「ジェノサイド・ゲーム」の促進を避けるため、世界各国の200の人権団体がNBCに北京五輪の放送を中止するよう要求した。同年12月には、米国の中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)が中国共産党によるウイグル人や香港民主化運動への弾圧に関する真相を北京冬季五輪の放映枠で流すよう求めた。

米国をはじめ国際関係担当。
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