米司法省、中国系MIT教授への起訴を取下げ

2022/01/21
更新: 2022/01/21

米司法省は10日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の陳剛教授(機械工学専門)に対する全ての起訴を取り下げた。

検察側は、「2017年に陳氏が記入した助成金の申請書には、外国機関とのつながりを開示する必要はなかった」とする新情報を得た後、起訴の取り下げを決定した。

陳氏は昨年1月中旬、電信詐欺虚偽申告、外国銀行口座を開示しなかったなどの容疑で、米司法当局によって逮捕された。

同氏は中国領事館関係者と定期的に接触していたという。

当時の法廷文書には「陳氏は中国の科学技術目標を促進しようとする明白な意図がある」と書かれていた。

陳氏は全ての容疑に対し、無罪を主張している。

起訴は、司法省の「チャイナ・イニシアチブ」の一環である。

「チャイナ・イニシアチブ」の取り組みは、18年にトランプ政権下で始まった。国家安全保障を脅かす中国共産党の経済スパイ活動や技術盗用を調査している。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、米司法省は「チャイナ・イニシアチブ」の実施以来、起訴された米学者は23人、ほかにも米企業に勤務する数十人の科学者が連邦捜査官から調査を受けていたという。

「チャイナ・イニシアチブ」で最初に摘発されたテネシー大学の胡安明教授は、陪審裁判に持ち込まれたが、無罪になった。

中国との関係を隠した罪で起訴されたハーバード大学の著名なナノテクノロジーの専門家チャールズ・リーバー(Charles Lieber)教授は昨年末、有罪判決を言い渡された。

米司法省が起訴した事件のうち、これまでに9人の被告は罪を認めた。6件は起訴が取り下げられた。起訴取り下げの理由として、うち5件は関与した科学者らが拘束や制限などを経験し、すでに十分な制裁を受けたと説明している。

(翻訳編集・李凌)