第76、77代首相を務めた海部俊樹氏が9日死去した。91歳。名古屋市出身。関係者が日本のメディアに明らかにした。海部氏は1960年に衆議院議員選挙に立候補し、当時全国最年少で初当選して以降16回連続で当選した。
海部氏は湾岸戦争を受けて、1991年に自衛隊初の本格的海外派遣として機雷を除去する海上自衛隊掃海艇をペルシャ湾に送った。
中国共産党が民衆を武力で鎮圧した六四天安門事件後、米ヒューストンで1990年に開かれた第16回先進国首脳会議で海部氏は円借款再開を表明。事件後の西側先進国陣営の首脳としては初めて訪中した。天安門広場で事件の犠牲者に献花を行ったとメディアインタビューで答えている。
NHKの取材に応じた自民党の安倍元総理大臣は「かつて自民党が大変厳しい状況にある時に総裁に就任され、自民党政権を維持した大きな功績のある方。自衛隊の国際貢献についても、初めて送り出すという決断をされた。心から功績をしのび、ご冥福をお祈りしたい」と述べた。