女子テニス彭帥さん、性的暴行を否定 評論家「仕組まれているのでは」

2021/12/20
更新: 2021/12/20

中国共産党の元高官から性的暴行を受けたと告発したテニス選手、彭帥さんが19日、シンガポールの親中派メディア「聯合早報」の取材に対し、「誰かに性的暴行を受けたと非難したことはない」と強調した。先月初めのソーシャルメディアへの投稿は誤解を招いたものだとし、自身は自由だと訴えた。

彭さんは11月、中国SNS「微博(ウェイボー)」で元副首相・張高麗氏に性行為を強要されたと投稿。張氏の妻も外で見張り役をし、手助けをしていたと告白した。彭さんの投稿は直後に削除され、それ以来約3週間にわたって公の場から姿を消した。国際社会では安否への懸念が高まり、北京五輪を控えた中国共産党は火消しに走ったとみられる。

中国・上海で開催されたクロスカントリースキーのイベントに参加した際、聯合早報の取材に応じた彭さんは「非常に重要なことを強調したい。誰かに性的暴行を受けたと言ったことも書いたこともない」と発言。投稿した内容は「プライバシーの問題」で「人々は多くのことを誤解している」と述べ、北京の自宅で「自由」に暮らしていると述べた。

12月2日に女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)に宛てた無事だと報告するメールも「自分で書いたもの」と強調。後に「中国国際電視台(CGTN)が英訳しツイッターに投稿した」と説明した。サイモン氏はメールの信憑性を疑い、「本人からの返答であると確信できるまで」はメールでの連絡は行わないとしている。

6分間のインタビューの中で、彭さんは張氏の名前に触れることなく、誤解についての説明も避けた。

聯合早報によると彭さんは同日、元NBA選手で中国バスケットボール協会会長の姚明氏や中国卓球協会副会長の王励勤氏などともにスキーの試合を観戦したという。映像に映る彭さんは「中国」とプリントされた赤いTシャツに中国国旗が入った黒いダウンコートを着用していた。

米国在住の時事評論家、唐靖遠氏は大紀元の取材に対し「『聯合早報』の記者が彭さんを呼び止め、その場でインタビューしたように見えるが、質問内容も彭氏の反応も事前に用意されていた可能性が高い」と指摘、「意図的に仕組まれたもののようだ」と語った。

「彭さんは、張氏との非倫理的な関係を否定せず、誤解を解くために微博を更新しなかった理由も説明しなかった。この1ケ月の間に公開された彭さんの写真や動画も、彭さん本人ではなく、国営メディアが公開したものばかりだ」と唐氏。「私は彭さんが置かれている状況を心配している」。

米国をはじめ国際関係担当。