18〜19日の日程で開催された欧州独自のデータインフラ構築プロジェクト「GAIA-X」の年次サミットで、中国のテクロジー大手が主要スポンサーを務めた。米政治専門メディア「ポリティコ(Politico)」17日付の報道によると、「GAIA-X」の複数の理事会メンバーが経営陣に対して、懸念を伝えていた。
データの安全な流通を目的とする同プロジェクトは2020年6月に正式発足し、2022年4月に提供開始される予定。20年11月時点で約350社の企業や団体が参加している。
中国通信機器大手のファーウェイ、IT大手のアリババグループのほか、米アマゾンやマイクロソフトも正式会員として同プロジェクトに参加した。4社は理事会の承認を経て、イタリア・ミラノで開催された「GAIA-X サミット 2021」の協賛企業にもなった。
ポリティコが入手した「GAIA-X」内部の電子メールによると、一部の上級メンバーが外国企業による同プロジェクトへの影響力に懸念を抱いている。
「収入を増やすには、(スポンサーシップよりも)もっと良い方法がある」と「GAIA-X」の前会長ユベール・タルデューは書いている。
別のメールでは、理事会メンバーのトーマス・ハーン氏が、「私たちは『すべての人に』スポンサーの可能性を提供したのだから、これを受け入れなければならない」と書いている。
また、シーメンス社の幹部であるハーン氏は、「我々には深刻な『改善の余地』がある」と問題があることを指摘した。
「GAIA-X」は中国のスパイ活動が懸念される中、クラウドの信頼性とデータの安全性を高めることを目的とした新ルールの策定に取り組んでいる。ポリティコが入手した文書によると、「GAIA-X」の新しいデータラベルシステムは、顧客のデータが欧州で保存・処理され、欧州以外の法律の影響を受けないことを保証するものだという。
(翻訳編集・李凌)
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